2008年06月11日

6月8日はシューマンの誕生日!その2−ピアノ協奏曲の名盤ご紹介です

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6月8日はロベルト・シューマン Robert Schumannの誕生日でした! 2 of 2の記事です。

昨日の記事に一応リンクをつけておきますと、


です。

今回は、数あるシューマンの名曲から、交響曲とピアノ協奏曲だけを選んで居りますが、本日はそのピアノ協奏曲について。シューマンが30半ばの年に完成した作品です。

大雑把に言ってシューマンの30代は交響曲作品をはじめ管弦楽作品をさまざま完成に至らしめていた時期。各作品構想自体は随分前から始まっていて、このピアノ協奏曲も藤本一子著『シューマン』(音楽之友社)によれば、萌芽から完成まで18年掛かっているとのこと。

では、どんな名盤があるか、、、例えば、チリ出身でドイツに学んだクラウディオ・アラウ。アラウの弾くこの曲と言うと、、、多分この演奏と同じ頃のものと思うのですが、モノラル盤がTestamentから復刻リリースされています。

アラウ独奏 シューマン&グリーグピアノ協奏曲他の商品写真晩年のものほど、ゆったりという印象はなく、それでいて基本的には晩年と同じと言っていいかも知れません。

とは言え、晩年のものでファンに成られた方にはちょっと違うアラウが聴けて楽しいものかと思います。

勿論、アラウ・ファンでない方にも、いまや中々聴けないタイプの演奏と思いますのでぜひどうぞ!

次はリヒテルです。

国内盤リヒテル独奏 マタチッチ指揮 シューマン&グリーグ ピアノ協奏曲の商品写真無鉄砲に思えるような迫力と幻想的な不思議な時間の同居が実にリヒテルらしい録音。新旧二つの録音があり、新しいマタチッチ指揮のEMI盤の方が人気があるようです。

私はシューマンの曲をはじめて聴いたのが、ロヴィツキ指揮の旧録音の方で、それ故に愛着があるのですが、面白いのは、リヒテル自身はどちらも今ひとつ気に入ってなかったこと。

グリーグの協奏曲とのカップリングだった新録音を撮り終えた後の言葉です。

モンサンジョン著『リヒテル』の商品写真久しい前からこの録音を待ち望んでいた。
シューマンはこれが二度目だ(最初はロヴィツキとだった)。残念ながら今度のも心底満足ゆく出来ではなかった。しかし、協奏曲そのものは私のお気に入りである。正確に何が、ということははっきり言えないのだが、でも何か本質的な部分、詩的な部分が欠落しているのだ・・・・・・・。
グリーグの方は逆に手放しで誉めてよい。

モンサンジョン著『リヒテル』p.298

この本、常々推薦して居りますが、未読でしたらぜひどうぞ。最近は、マーケティングの一環で若いうちから演奏家が伝記を物することが多い中、これはそういう類いの書籍ではなく、あらゆる書き物が他人の目を気にしたものと言えようとも、素直に演奏家が胸の内を語った貴重な本と思います。

国内盤リヒテル独奏 ロヴィツキ指揮 シューマン ピアノ協奏曲他の商品写真強いて言うなら、グリーグのピアノ協奏曲も聴きたいならマタチッチ指揮のEMIから出ている新録音(輸入盤はこちらです)。

リヒテルの弾く他のシューマンを聴きたいなら、ロヴィツキとの旧録音となるでしょうか。協奏曲の他にノヴェレッテ第1番 Op.21、トッカータ Op.7、森の情景 Op.82を収録(輸入盤はこちらです)。

このトッカータがなんてことのない短い曲なのですが、いかにもシューマンらしい曲で、これを弾くリヒテルがまた奔馬といったもので、気持ちいいです。
子供の頃にさんざん繰り返して聴いていました。

*****

この曲の名盤もいろいろあるのですが、最後に私が好きであまり推薦がなさそうなものを一つ。

と申しましても、そんなに珍しいものではありません。フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィルとギーゼキングによる録音。1942年1月3日のベルリンにおける実況です。音質もそれなりのものですが、当時のものとしては特に問題はないかなと思います。

フルトヴェングラー録音集 Recordings 1942-1944, Vol. 2 の商品写真フルトヴェングラーとベルリン・フィルの生きたというより、生々しい曲作りも楽しいですし、ギーゼキングも素晴らしいです。オーケストラは激しく抑揚を持って、ギーゼキングはそれでも奇麗な部分なども作って、両者意見が食い違うところもあるように思うのですが、これはこれでその対話を勝手に想像しながら楽しんでいます。

違っている様で、合わせるところは合わせるし、なにがあろうとタイミング合わせだけではなくて、両者お互いをちゃんと聴いて、意識しているなと思うのですが、如何でしょうか?(ずれも多々あるのですが、それがあるなら多少ずれようと。)

ギーゼキングはモーツァルト、ドビュッシー、ラヴェルの録音で、技術に秀でた端正な名人という印象を持っていたのですが、この録音やその他のマイナーレーベルから出ている古いピアノ・ソロなどを聴くと、打ち間違いも恐れず勢いにまかせるところもあって、随分印象が変わりました。

写真でお見せしているものは、この時期の戦時中のフルトヴェングラーの録音を集めたもの。ギーゼキングとの録音もこれに入っています。5枚組ですが、マーケットプレイスで新譜CD一枚分の価格なので、こちらで手にするのが良いかと思います。

併収されている他の録音で一つだけ、これを機会に取り上げますが、エドウィン・フィッシャーとのブラームスのピアノ協奏曲第2番もぜひ!と思う演奏です。こちらはすみずみまで両者息がぴったりで、出だしから「そりゃ無茶な!」と思わせるほど思い切った快演です。

エドウィン・フィッシャーがまた気持ちよく、大げさに言うとアルペッジオの出だしの音を間違えたら、そのまま駆け上がるといったもの。

フルトヴェングラーも緩急変幻自在なら、フィッシャーもまったくそう。畳み掛けるのも、ふっと息を抜いて柔らかな調子を作るのも、どちらともない見事な掛け合いで、他に例がないのでは!と思うほど。第一楽章の迫力、第二楽章のヴァイオリンとピアノの二人のソロで作る美しさ、、、逐一挙げて行ったら切りがないものです。

ここまで来ると妄想もいい加減に!なのですが、ソリストも指揮者も、そしてオーケストラも共演するのが本当に楽しかったのだろうなぁと。

・・・といつも通り長くなりましたが、また次回!
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posted by sergejO at 15:04 | Comment(4) | TrackBack(1) | 作曲家の誕生日です!
この記事へのコメント
フルトヴェングラーのこのセット、出た当初に買ってあったものの、じっくり聴こうかと思うと眠ってしまうのが常でして・・・夕べ、
「よし、聴いてから感想をお伝えしよう」
と意気込んだものの、やっぱり眠ってしまいました。
・・・でも、シューマンとブラームスは、出だしだけは覚えていて、「いい演奏だ!」と断言してよろしいと信じております。。。

お粗末様でございました!
Posted by ken at 2008年06月12日 22:01
わたくしなぞ、駄文を連ねながら、3回くらいずつ聴き直してしまいました!

前にメロディアのCDで買ったので、このセットの値段にブルーになってしまいます。。。
Posted by sergejO at 2008年06月12日 23:39
ドメイン名からしてシューマンがお好きだと思ってましたよ。( ̄ー ̄)
そして認証コードがブラームス!
Posted by くま at 2008年06月14日 00:00
>ドメイン名からしてシューマンがお好きだと
>思ってましたよ。( ̄ー ̄)

いやぁ

認証コードは破られる度に変わります!先日まで、Mozartでしたが、5月に突破されてその月のブラームスに。来月そうなったら、ヤナーチェクです。
Posted by sergejO at 2008年06月14日 00:13
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