モラヴィア地方ですから、現在のチェコ共和国の東部なのですが、ここらへんのボヘミア、モラヴィア、シレジア等々ややこしいです!取りあえずこちらを。
西部のボヘミアより、スラヴ的と言っていいものかどうかも、全体的にはそうなのでしょうが、仔細に見て行くと、実はややこしいと思います。(特に作曲家の出自や、交際範囲でそういうところは、またややこしいのだろうなと。。。)
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ヤナーチェクの音楽と言うと、さてどっから入るか、オペラか管弦楽が普通でしょうか?ピアノ曲や室内楽も面白い曲があるのですが、、、、とここで、まず書籍をご紹介するのが、このブログ流!
ヤナーチェクを扱って読みやすいものと云うと中々ないのですが、内藤 久子著『チェコ音楽の魅力』はお薦めかと存じます。この書籍は、19世紀から20世紀初頭に掛けてのチェコの三人の音楽家、スメタナ、ドヴォルジャーク、ヤナーチェクを取り扱って、それぞれの音楽の特色、それぞれの社会的地域的背景を語るというもの。
今からいろいろ聞いてみたいという方には、それぞれの経歴はもとより、巻末の推薦CD&DVDが分量といい、内容といい、中々良い思います。この推薦が著者の熱心さが出ていてなかなか!
既にいろいろ聞いていらっしゃって、もっと深く知りたいという方には、この書籍で語られる三者三様の民俗音楽との関わりが大変面白いかと思います。スメタナ→ドヴォルジャーク→ヤナーチェクと活躍時期の時系列で問題意識がいろいろ変わる様が、この書籍には一巻におさめられていて、見通しが良くなっています。
民族音楽が旋律の単純な引用や故郷を描く交響詩の題材ということから始まって、まずは民謡の採取の地域の拡大・変化が起きて、そうすると、その旋律が必ずしも地域的なものでない(簡単に言うと、自民族の固有の旋律と思っていたら、どうも他民族も使っているな、、、自国と思ったけれど、西部は存外オーストリア・ドイツの影響が強いな、、、ですとか)という疑念も起きて来て、そこで、発話旋律(半知半解で簡単に言うと、言葉の抑揚やリズムを活用するもので、これならチェコならチェコ固有と言いやすい、、、)というアイディアに。。。
とは言え、時系列で単純に発展したなどとも言い難いところにも気を配っています。
作曲家の出身や交友関係で民謡の採取地域も変わるという要素もあります。また西洋、といっても基本音楽市場として密接な関係のあったオーストリア・ドイツ圏ですが、そこでの動向の影響もあります。
当時の西洋に於けるドヴォルジャークは、チェコというより、スラヴのexoticismの代表選手という面があって、これなど、日本として語りながら、東洋を代表してしまったりすることがわれわれにもあるので、ちょっと面白いことかなと。
スメタナとドヴォルジャークの、標題音楽と絶対音楽に関するスタンスの違いも面白いことでした。では、そんなに標題音楽と絶対音楽って区切れるのか?などという問題も視野に入ってきそうな話です。これが進歩か保守化という話に関わったり、それがまた政治的な側面に関わったり。。。
と、三人の音楽家を基軸に19世紀〜20世紀初頭までのチェコ音楽史の概要を示しながらも、さまざま襞のある内容なのでぜひご一読を!
三者の扱いはほぼ同じ頁数を割いていて、ヤナーチェク・ファンに限らず、スメタナ・ファン、ドボルザーク・ファンにも等しくお薦めです。
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序でながら、過去にスメタナのご紹介をした記事をちょっとご紹介!
●来週の5月21日、レオシュ・ヤナーチェクのオペラ5作品の国内盤再発売です − マッケラス指揮ウィーン・フィルの名盤
本年(2008年)の5月に久しぶりに、マッケラス指揮のヤナーチェクのオペラ作品の日本語晩のCDが再発売になりました。日本語のブックレットがついているので、安心して楽しむことができます。併せてマッケラス指揮の管弦楽曲集も。
・・・とは言え、対訳なしのBoxセットならば、同じ録音が大変お安い輸入盤もあって、そちらもいかがでしょうか?これが記事の趣旨です。ヤナーチェクのオペラは大概1時間半程度で、他のオペラとちょっと変わっているので、オペラが苦手と言う方も気に入るやも知れません。
「せめて英語対訳ブックレットもないのは、ちょっと、、、」とお思いになるのは無理もない!ことでありますが・・・
●昨日ご紹介した日本ヤナーチェク友の会発行のオペラ対訳本のご紹介です
この記事で、タイトル通り、日本ヤナーチェク友の会発行のオペラ対訳本を写真付きでご紹介しています。この書籍Amazon.co.jpで売り出せば、もっと一般化するような、、、
このブックレットですが、内容も大変豊富で、台本の成立の背景その他さまざま読み応えのあるもの。
私の個人的意見では、CDは輸入盤で安く手にして、この対訳本をご覧になるのが良いかなと。
ではまた次回!
次回は、ヤナーチェクのオペラの2つのDVDをご紹介致します。
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