2008年08月19日

作曲家のDVD特集です 第四回 −ショスタコーヴィチのドキュメント『ショスタコーヴィチ against スターリン 戦争交響曲集』

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最近見た作曲家のドキュメントDVDについて概要を説明して居ります。過去の記事へのリンクは本稿末尾にて!

ショスタコーヴィチのドキュメント『ショスタコーヴィチ against スターリン 戦争交響曲集』の商品写真今回の第四回と次回の最終回の第五回は、ドミトリー・ショスタコーヴィチです。

本日ご紹介する作品『ショスタコーヴィチ against スターリン 戦争交響曲集』。監督はラリー・ワインスタイン Larry Weinstein。

『ショスタコーヴィチ against スターリン 戦争交響曲集』の仕様&内容


国内盤が出て居りますので、DVDの仕様について気にすることはないでしょう。All Region (Code 0)NTSC 16:9およそ70分の本編に、ゲルギエフが指揮する交響曲第4番から第9番の抜粋が70分収められたもの。

言葉は基本英語で、ロシア人でインタビューに答える出演者はロシア語を話します。いずれにせよ、日本語字幕でお楽しみ頂けます

英語で聞ける皆様には、輸入盤の方が安いのでこちらを検討されるのも一案です。輸入盤のリンクはこちらからどうぞ!

輸入盤もAll Region (Code 0)NTSC 16:9なので日本国内用DVDプレイヤーでの再生も問題なし。内容は一緒で、日本語字幕はありませんが、英語、仏語、独語、イタリア語、スペイン語、中国語の字幕あり。英語字幕は、ロシア語での会話に付けられたもので、英語での会話やナレーションにはついておりません。

ゲルギエフ指揮 ショスタコーヴィチ交響曲集第4番から第9番までの商品写真さて、このDVD、ゲルギエフの録音したショスタコーヴィチの4番から9番までの交響曲(輸入盤の方がやすいので、そちらでリンクしました)のプロモーションも兼ねていると言って良いでしょう。CDと同様、DVDでの演奏もキーロフ管弦楽団ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団が担当。

第二次大戦前後スターリン治下にあって、ショスタコーヴィチは政治的・社会的に緊張状態におかれ、それが彼のこの時期の交響曲に独特の面白さを与えている・・・というコンセプトで、当時のロシアのさまざまなニュース・フィルム、ショスタコーヴィチ他の映像・写真、ゲルギエフの演奏・インタビュー、当時を生きぬいたショスタコーヴィチの周辺人物へのインタビューでまとめた作品。

中々巧みな編集で一気に見てしまいます。ショスタコーヴィチの交響曲への入門としても、ゲルギエフ入門としても面白いと思います。ゲルギエフの録音は私も詳しくなく、むしろ巷でのスター扱いぶりにちょっと疑問があったくらいなのですが、ここに出て来た4番、7番、9番の音楽にかなり興味を惹かれました。もし、そうお感じになることがあれば、上のリンクのCDもぜひご検討ください。

しかし、こういうものを見ると、クラシックをただ単に気持ちのよい音楽だとか、熱狂的な音楽として聴くのも、どうかな・・・とつくづく感じさせられます。ゲルギエフは作中「スターリン時代の緊張が、ショスタコーヴィチにはいい影響になったんだ」と言いますが、当時を生きていたら溜まらないだろうなと・・・しかし、そんな状況下で、体制批判のオペラ『ラヨーク』を書いたことなど実にびっくりします。DVDにはゲルギエフがピアノ伴奏するオペラ『ラヨーク』の場面が少々でてきますが、友人が『早く捨てるか、隠すかするんだ!』と言ったのはさもありなんと感じます。

ショスタコーヴィチとその時代を知るためのおすすめ書籍&DVD


このDVDでナレーションとして入れられているショスタコーヴィチの発言は、偽書の疑いの高いヴォルコフの『ショスタコーヴィチの証言』の引用もある由。

その点も踏まえて、当時のロシアの音楽家と政治との関係については、DVDでしたらオイストラフのドキュメント『太陽の窓』リヒテルのドキュメント『エニグマ 甦るロシアの巨人』、書籍でしたら河島みどり著『ムラヴィンスキーと私』なども併せてご覧になると、良いかも知れません。

やはり、この70分のDVDはイメージ映像というもので、いろいろ掘り下げたり、情報を詰め込むことは時間的にも難しいので、他のソースにも当たってみれば、興味もなお深まるはずです。

若き日のオイストラフが海外のコンクールで一位になることにどれほどのプレッシャーを感じていたか、ドイツ系であるリヒテルにどんなことが起きていたか、出世してからのムラヴィンスキーにもどのような圧力がかかっていたのか、、、それでも、彼らが自分の故郷を愛するとはどういうことなのか、、、等々、さまざまに考えさせられます。

ショスタコーヴィチの関連の書籍については、やはり、ローレル・E・ファーイ著『ショスタコーヴィチ ある生涯』がお薦めでしょうか?

ローレル・E・ファーイ著『ショスタコーヴィチ ある生涯』の商品写真大変浩瀚な書物で、伝記部分は350頁ほどなのですが、上下二段の記述。読むのは大変疲れると思いますが、音楽家としての成長過程から、政治的なさまざまな葛藤まで、大変詳細な記録となって居り、多々興味深い発見を得られるものです。

一気に通読が大変な時は、今聞いている曲の前後の時代の記述だけ読むというスタイルでも良いやも。人名録などのデータも充実していて、ロシアの名前がまたややこしくて、私もいろいろとこんがらがってしまうのですが、随分助かりました。他の書籍を読んでいても、これらのデータは有用です。

ショスタコーヴィチの書籍については、お粗末なほど簡単ながら、過去にこのブログにも記事を書いておりますので、よろしければ下のリンク先もご覧下さい。

このブログの2007年11月10日の記事:ショスタコーヴィチの書籍と軽め(?)のCDご案内
http://sergejo.seesaa.net/article/64006679.html

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作曲家のDVD特集の過去の記事についてご興味あれば、以下のリンクからどうぞ。

作曲家のDVD特集です 第一回 − ベラ・バルトーク『Roots ルーツ』
http://sergejo.seesaa.net/article/104594099.html

作曲家のDVD特集です 第二回 −『Sibelius シベリウス』
http://sergejo.seesaa.net/article/104694958.html

作曲家のDVD特集です 第三回 −ベンジャミン・ブリテンのドキュメント『The Time There Was』
http://sergejo.seesaa.net/article/104755983.html

では、また次回!
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posted by sergejO at 19:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名盤・推薦盤!(含むDVD)
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