2008年08月27日

ドビュッシー関連の書籍&自作自演CDのご紹介

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前回・前々回と世界のAmazonにおけるドビュッシー売れ筋CDランキングを見てみましたが、本日は、ドビュッシー関連の書籍を幾つかに自作自演CDで、おすすめを紹介です。

ドビュッシー おすすめ書籍:伝記

松橋麻利著『ドビュッシー』の商品写真まず一つ目は、価格と内容からもドビュッシーの最初の道案内にふさわしい著作、松橋麻利著『ドビュッシー』。作曲家◎人と作品シリーズの一つで、シリーズの他の作品同様、200数十の頁数の中に伝記と詳細な作品紹介、作品目録、そして年表が収められています。

既刊のものは全て読んで居りますが、この松橋麻利の『ドビュッシー』の伝記部分はシリーズの中でも出来がよく、読み物としてもかなり面白いと感じました。

手際よく作曲家としての活動、プライヴェートの出来事を叙述して行きますが、ドビュッシー本人や関係者の言葉の挙げ方が上手で、出来事が具体的に伝わって来ます。学生時分の周囲に認められれば、異端視されたりもするドビュッシーの様子も興味深く、特に詳述された歌劇『ペレアスとメリザンド』は制作の舞台裏のいざこざや、上演当時の混乱ぶりなども出て来ます。

ところどころに紹介されるちょっとした逸話 − 伝統的和声法教育にうるさい先生の授業で、自分流の和声でピアノを弾いたですとか・・・− がこれまた面白く、ドビュッシーの人物像を想像する手助けにもなれば、叙述をだらけさせないちょっとしたスパイスにもなっています。

作品紹介は、ドビュッシーをこれから聞き始めようと言う方には、聞いてみたい曲の目星をつけるにあたって力強い味方になるものです。

ドビュッシー おすすめ自著:音楽論&書簡集

平島正郎訳『ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏』の商品写真ドビュッシーというと自身の著作が邦訳で出て居ります。二種類あって、一つが岩波文庫の平島正郎訳『ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏』。今ひとつが、白水社の杉本秀太郎訳『音楽のために − ドビュッシー評論集』で、どちらにするか迷うところ。価格は当然文庫の方が安いです。

杉本秀太郎訳『音楽のために − ドビュッシー評論集』の商品写真私のように聞くのが主の愛好家には、やはり音楽的な理屈が判らないので内容を誤解していることが殆どとも考えますが、過去そして現在の音楽家、演奏家への批評など、少し皮肉で鋭利な表現、なんにせよ軽妙洒脱で音楽を度外視した読み物としても面白く、ドビュッシーに興味があれば、ぜひに!とお薦めしたい書籍です。

ドビュッシーの意見もそのときどきで正反対のことを言いますが、それを知ったお陰で一面的な見方をしていたかな・・・と反省することがしばしばありました。

さてこの二冊は元々はドビュッシーが公に発表した同じ文章群を元にしていますが、一番大きな違いは低本の違いによる、内容量の差になっています。

平島正郎訳『ドビュッシー音楽論集―反好事家八分音符氏』は簡単に言うと抄録であり、量はざっくりいって杉本秀太郎訳の1/3ほど。後者の低本は、紙面にドビュッシーが書いたオリジナルのエッセイを忠実に再現して、その並びも発表順。また、折々のインタビューもついております。そういう意味では、質も違っていて、平島訳の低本はオリジナルの文章をあれをこれにとつないで再構成したもの。ただ、ドビュッシー自身が編集したので全体的な印象が変わるほどの違いはないと思います。

翻訳の読みやすさは、文庫の平島正郎訳が評判が高いのですが、これは確かにうなづけます。地口にもなる個性的な訳で、注釈も洒落ていて読んでいて楽しいもの。その点、杉本訳は平島訳に比べれば幾分生硬ですが、読みにくいことはありません。

こうなるとどちらにすべきか難しいところ。強いて言えば、量が多いので、単行本の杉本秀太郎訳『音楽のために − ドビュッシー評論集』を私はお薦め致します。

2008年9月26日注:Look4Wieck.comの類似の記事にこの二冊の詳細な対応表を作りました。ご検討にぜひお役立てください!

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F.ルシュール編『ドビュッシー書簡集1884‐1918』の商品写真いま一つドビュッシー自らの手になる文章を集めたものにF.ルシュール編『ドビュッシー書簡集1884‐1918』があります。往復ではないので、ドビュッシーの手紙だけになっており、前後の相手の手紙が気になるのは致し方ありません。80余名の宛先が出て来て、晩年にはストラヴィンスキーやヴァレーズの名前も出て来ます。

ドビュッシーの日常も伺えますし、好きな音楽家の文章なら面白く読める方は多いと思うのですが、価格も高い本。最初にお手にとられるには上述の書籍をまず・・・と、これは私の感想です。音楽の話も

先にあれらのエッセイ&評論を読んでいたので、手紙のドビュッシーは意外に真面目なんだな、、、とちょっと感じました。

ドビュッシー おすすめ名盤・CD:自作自演!のピアノ曲

最後にドビュッシー自身が録音した自作自演のピアノ作品集をご紹介しましょう。私もいつもコメントくださるKenさんのお薦めで最近聴いたもの。この時代ですから、いわゆる録音でなく、Pierianレーベルが出しているThe Composer as Pianistシリーズの一つで、ピアノロールによるもの。大部分を占めるピアノロールの方は問題ない音質で、メアリー・ガーデンの歌に合わせる最後の数曲のみ通常の録音ですが1904年と大変古いため、ノイズが強く、声もふるえるいわゆる昔の録音です。これが聴いて心地よいだけでなく、興味深い録音でした。

Claude Debussy: The Composer as Pianistの商品写真曲目は、以下の通り。

  • 前奏曲第1集から:デルフォイの舞姫 / 沈める寺 / パックの踊り / ミンストレル / 野をわたる風)
  • レントより遅く
  • 版画から:グラナダの夕暮れ
  • 子供の領分(全曲)
  • スケッチブックから

ここまでがピアノロールで記録されたピアノ曲で、以降がM.ガーデンとの歌曲です。

  • メレアスとメリザンドから:私の長い髪
  • (ヴェルレーヌの)忘れられたアリエッタから:グリーン / 木々の影 / わが心にも涙ふる

以上で、おおよそ50分の長さ。出だしの《デルフォイの舞姫》など、ゆったり目で、匂いまで漂っていそうな見事な演奏です。

特に変わっていると思ったのは、《パックの踊り》、《ミンストレル》、《グラナダの夕暮れ》、そして、《子供の領分》の《グラドゥス・アド・パルナッスム博士》、《人形へのセレナード》、《雪が踊っている》、《ゴリウォーグのケークウォーク》など幾らか早めの曲。これらはわたしなどにも判りやすく、普通聴かないリズム、アクセント、テンポの移動などがあって、ぜひ皆様もお手に取られては如何かと思います。

ピアノを長年嗜まれた方であれば、ペダルの使い方なども含めて、いろいろ発見があるCDではないでしょうか?

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前回、前々回で見てみました、今現在世界のAmazonで売れているドビュッシー関連のCDランキングは以下のリンクからどうぞ。

8月22日はクロード・ドビュッシーの誕生!− 世界のAmazonで見る売れ筋CD 日・仏・独編
http://sergejo.seesaa.net/article/105168484.html

8月22日はクロード・ドビュッシーの誕生!− 世界のAmazonで見る売れ筋CD 英・米・カナダ編
http://sergejo.seesaa.net/article/105215851.html

では!また次回。

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posted by sergejO at 19:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作曲家の誕生日です!
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