2008年09月20日

ペーター・レーゼルのべートーヴェン ピアノ・ソナタ・リサイタル初日 at 紀尾井ホール および レーゼルの室内楽曲集(8枚組)について!

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ペーター・レーゼル独奏 ピアノ曲集(13枚組+1)の商品写真本日、2008年9月20日の土曜は上智大学の隣、紀尾井ホールペーター・レーゼル Peter Rösel のリサイタルに行って参りました。レーゼルは、旧東ドイツ出身で、ロシアに留学してレフ・オボーリンなどに師事したピアニスト。

総じて派手にはならないですが、かといって重々しくもない音で、丁寧に考えた構成の中で左手がしっかり支えて、きっちり音色の変化をつけて、、、という地味だけどいいピアニストの典型かなと思って居ります。

さて、今日の曲目は、、、どうも今年から年に二日ずつで4年かけてのベートーヴェン・ソナタ全曲演奏会とのこと、、、それは存じ上げませんでした。本日の公演はその初日。

ペーター・レーゼル ベートーヴェン・リサイタル 紀尾井ホール 2008年9月20日 曲目詳細

  • ピアノ・ソナタ第20番 ト長調 Op.49-2
  • ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 Op.31-2 《テンペスト》
  • ===休憩を挿んで===
  • ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 Op.106 《ハンマークラヴィーア》

というプログラム。

パンフレットの記述によれば、レーゼル曰く、全32曲のソナタで、もっとも簡単な20番ともっとも難しい29番をもってきて、毎回一つはメジャーな曲を・・・とのこと。

ペーター・レーゼル ベートーヴェン・リサイタル 紀尾井ホール 2008年9月20日 感想

感想はというと、冒頭に書いた通りで、まったくそういうところで、楽しんで居りました。

ペーター・レーゼル独奏 ピアノ協奏曲集(10枚組)の商品写真1945年生まれですから、今年は63歳になるレーゼル。ジャケットでは若々しいイメージですが、もうすっかり白髪。といっても、年を感じるのは髪だけのこと。最初の一曲を開始する時は、やや間を置きましたが、あとは弾き始めも、曲を終えて拍手に応えて舞台に戻る時も、実に颯爽としております。

レーゼルは作曲家によって、結構、酔わせる時と、分析的!というという時と、差がある様な気が致します。一曲の曲の中でも、そういった変化が強く出ることが多いかなと。今日もそんなことを感じましたが、聴かれた方は如何だったでしょうか?

《テンペスト》などは、もっと幻想的に!・・・と感じつつ、それでもレーゼルらしいなぁと。

今日の演奏を聴いて、まったく自分の好みで申しますと、今後の演奏会なら第9番から第18番あたりのほがらかな曲など面白そうでまた行ってみたいなと考えて居ります。

ペーター・レーゼル おすすめCD edelCLASSICS 室内楽曲集(8枚組)

レーゼルのCDの大半は、国内盤ですと徳間ジャパンから発売されています。

Look4Wieck.comでみる徳間ジャパン発売のレーゼルのCD一覧

しかし、もしいろいろ揃えようとお思いならば、同じ録音をedel CLASSICSが安価のBoxセットにしており、ピアノ独奏曲集 Works for Piano(13枚組)ピアノ協奏曲集 Piano Concertos(10枚組)室内楽曲集Chamber Music(8枚組)と三種類がリリースされております。単売品でも5枚6枚と揃えるならば、このセット物が結局お買い得ということになるでしょう。自分からは滅多に聴こうと思わない曲もあって、意外な出会いにもつながりかも!

ペーター・レーゼル(Pf) 室内楽曲集(8枚組)の商品写真レーゼルのファンなら、どれも欲しい!というセット。中身について本日から三日に掛けて、ちょっと詳しくご紹介しようと思います。

今回のだ一回では、一番見過ごされがちかもしれない右の室内楽曲集Chamber Music(8枚組)を取り上げます。

この収録曲と演奏者がなかなか多岐に亘って居りまして、伴奏者として、二重奏あり、四重奏・五重奏あり、歌曲あり、作曲家の出身国もさまざまで、録音時点の話ではありますが、レーゼルが伴奏者としてどういう演奏をするかいろいろと楽しめます。

CD1:F.シューベルトの室内楽
・ピアノ五重奏曲 イ長調《ます》 Op.114 D667
・ アダージョとロンド ヘ長調 D487
(共演:カール・ズスケが1st Vn時代のゲヴァントハウス弦楽四重奏団 Gwandhaus-Quartett  録音:1985年)

CD2:J.ブラームスの室内楽
・ピアノ五重奏曲 へ短調 Op.34
(共演:ブラームス弦楽五重奏団 Brahms-Streichquartett 録音:1972年)

CD3&4:J.ブラームスの歌曲
・J.ブラームス:ルートヴィヒ・ティークの詩に基づく《美しきマゲローネ姫の歌》Op.33
(共演:ペーター・シュライアー Peter Schreier, テノール / ヴォルフガング・ハインツ Wolfgang Heinz, 朗読 録音:1981年)

CD5:R.シューマンの室内楽その1
・ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ短調 Op.105
・ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op.121
・オーボエとピアノのための三つのロマンス Op.94
(共演:クリスティアン・フンケ Christian Gunke, ヴァイオリン / ブルクハルト・グレーツナー Burkhard Glaetzner, オーボエ 録音:1982年)

CD6:R.シューマンの室内楽その2
・ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
・ピアノ四重奏曲 変ホ長調 Op.47
(共演:カール・ズスケが1st Vn時代のゲヴァントハウス弦楽四重奏団 Gwandhaus-Quartett 録音:1983年)

CD7:フランスの室内楽曲集
・G.タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ ト短調 《悪魔のトリル》
・C.フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ短調
・C.ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
・C.ドビュッシー:チェロ・ソナタ
(共演:クリスティアン・フンケ Christian Gunke, ヴァイオリン / ヨアヒム・ビショフ Joachim Bischof, チェロ 録音:1978-81年)

CD8:ホルンとピアノのための曲集
・J・フランセ Jean Françaix:Divertimento
・C.サン=サーンス:Romanze Op.67
・H.ビュッセル Henri Büsser:La Chasse de Saint Hubert 5:17
・C.グノー:《ホルンのための6つのメロディ》から No.5&No.3
・E.ボザ Eugène Bozza:Sur les Cimes
・P.デュカ Paul Dukas:Villanelle
・J-M.ダマーズ Jean-Michel Damase:Pavane variée
・C.サン=サーンス:Romanze Op.36
・M.ポート Marcel Poot:Légende
・G.ロッシーニ:前奏曲、主題と変奏
(共演:ペーター・ダム, ホルン 録音:1985年)

最後のホルンとピアノの曲集など、他では中々聴こうと思わないめずらしさもありますね!

私が一番好きなのは、やはりドイツ物の室内楽カール・ズスケが参加しているゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏が聴けるという点でも貴重です。きっちりとした良い演奏です。シューマンのヴァイオリン・ソナタも結構録音は少ない物で重宝する方も多いのでは?

演奏者がドイツ陣だけあってと言ってしまって良いのか、CD7のフランスのソナタ集は、和音の変化がしっかり打ち出されて、およそフランス風にも聞こえず、個人的にウケながら聴いて居ります。

歌詞カードがないので、CD3&4のマゲローネが困ってしまいますが、日本語訳だけであればネットに下記の頁を発見致しました。

川村英司(バリトン)レクチュア・コンサート
第9回(2004年2月14日) L.ティークのマゲローネ姫によるロマンス 第一回 第1曲より第7曲まで
第10回(2004年4月3日) L.ティークのマゲローネ姫によるロマンス 第二回 第8曲より第15曲まで

レーゼルの三つのボックスの中では一番安価ですし、室内楽というとついつい聞き逃しているものも多いやも?

ぜひ、このペーター・レーゼル 室内楽曲集Chamber Music(8枚組)をお楽しみください。

では!

ペーター・レーゼル その他のおすすめ名盤:edel CLASSICSの廉価版Boxセット

以下、補遺ながら、edel CLASSICSから発売されているペーター・レーゼルのBoxセットの他の二つを簡単にご紹介しますと・・・

ペーター・レーゼル独奏 ピアノ曲集(13枚組+1)の商品写真ピアノ独奏曲集 Works for Piano(13枚組+1)
バッハ(但し、ブゾーニ版!)からストラヴィンスキーまで、オーストリア&ドイツ、フランス、ロシアとさまざまな国の作曲家を集めて居り、レーゼルの独奏者としての全体像が見渡せるセットです。
わたしの好みとしては、ロマン派時代の曲を客観的な距離感を持ちつつ、微妙に熱がこもるとでもいった演奏がすきです。
5枚分を占める評判のブラームス、さすがロシア留学経験ありというムソルグスキーなど聞き所はいろいろ。
詳しくは、弊ブログ 2008年9月21日の記事をご覧下さい!


ペーター・レーゼル独奏 ピアノ協奏曲集(10枚組)の商品写真ピアノ協奏曲集 Piano Concertos(10枚組)
ベートーヴェンとラフマニノフのピアノ協奏曲全曲を中心に、ハイドン、シューマン、チャイコフスキーらのピアノ協奏曲を収録。《魔弾の射手》のウェーバーに一枚分割かれ、その協奏曲が1番・2番ともに収められているのは、ちょっと風変わりなところ!
演奏はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で、指揮はマズーア、ザンデルリンク、ケーゲル、ブロムシュテットほか多彩な顔ぶれ。
私見ながら、独奏曲同様、ロマン派&ロシアものが特に面白いと思います。
詳しくは、弊ブログ 2008年9月22日の記事をご覧下さい!

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この記事へのコメント
私も2007年4月29日のリサイタル、2008年9月20日、10月2日のベートーヴェンツィクルスを聴いてまいりまして、大変感動いたしました。
私が始めてペーター・レーゼルを聴いたのは、1987年5月、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏会で、ブラームス、ピアノ協奏曲第1番、Op.15、ニ短調を聴きました。当時42歳、黒い髪が印象的で魅力的な顔立ちだったことを覚えています。演奏から、いいピアニストだというものが伺えたものの、ブラームスの音楽が伝わらず、もどかしさが残りました。それから20年たって2007年のリサイタルでは、62歳、すっかり白髪になり、気品に溢れた老紳士でしたね。ピアノからよく響く、美しい、たっぷりした音色が流れ、圧倒されてしまいました。
それから、その年の12月、ゲルハルト・オピッツのベートーヴェンツィクルスを楽しみにしていました。こちらも名演でした。何といってもブロンドの髪とひげは見慣れたものでした。こちらも今やすっかり真っ白でした。こちらは2005年以来で、今年が最後となり、「ハンマークラヴィーア」、第30番が聴き比べとなって、楽しみです。
今、ドイツを代表するピアニストといえば、ペーター・レーゼルとゲルハルト・オピッツになりましたね。
Posted by 畑山千恵子 at 2008年11月02日 20:19
>こちらは2005年以来で、今年が最後となり、
オピッツが引退する、、、という意味ではなく、「今年も最後となり」のtypoですよね?(いま、50代半ばですし)
しかし、自分が少年・青年期にもった印象は思いの他強くて、レーゼルやオピッツが年を取っているのが、なんだか不思議な感じがしております。
Posted by sergejO at 2008年11月03日 00:41
私の書いたことが拙かったな、と思います。ゴメンナサイ。
というのは、ゲルハルト・オピッツのベートーヴェンツィクルスは2005年から4年がかりで始まりました。今年、ベートーヴェンツィクルスが2008年でおしまいになるということでした。誤解を招きまして申し訳ありません。
そして、2008年からペーター・レーゼルのベートーヴェンツィクルスが始まったということは意義深いことかもしれません。CDがライヴ録音で出るそうです。
とはいえ、ゲルハルト・オピッツの全集が出て、ペーター・レーゼルの全集が出るとなれば、21世紀のドイツを代表するピアニストのベートーヴェン、ピアノソナタ全集が出揃うことになります。こちらも楽しみになりました。
Posted by 畑山千恵子 at 2008年11月03日 20:25
いえ!こちらの勘違いでした。さきほど、いろいろ調べていて、オピッツがベートーヴェンツィクルスをやっていたと丁度判ったところでした。
Posted by sergejO at 2008年11月03日 20:59
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