2009年01月14日

新刊のご案内:玉木宏樹著『クラシック埋蔵金』− タイトルの印象に反して(?)真面目な本です

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玉木宏樹著『クラシック埋蔵金』の商品写真このようなブログを運営していて、先日、初めて「著書を紹介してくれまいか・・・」という書き込みを頂き、私としても素人の横好きという立場を利用して、好き勝手書いて居りますので、「どうしよう・・・」と、気にかかって居りました。

その書籍は、玉木宏樹氏による『クラシック埋蔵金』。著者の玉木宏樹氏については、冗談音楽でご存知の方も多いことと存じます。

年末は出費も嵩み、、、と思っていたところ、ひょんなことで図書券が当たったので、これは良い機会!と早速買って読んでみました。

内容は、さまざまな時代、国の作曲家から、なかなか名前も聞く事がない150曲を選び、作曲家のちょっとしたエピソードや曲の印象を、1曲1頁の割合で、淡々と紹介したもの。無理矢理面白く思わせようと著者の妄想的言辞で楽しませる・・・といったごり押しは全然なく、非常にあっさりしています。一度書見されれば、この点、好感を持たれる方も多いのでは?

幾分長い前書き部分に、何故この著書をものしたかの説明がございます。一読したところですが、自己流にまとめてしまいますと、

  • 日本に於けるクラシック音楽の受容は、真面目なドイツ音楽にして、しかも絶対音楽の器楽曲至上主義に過ぎる!もう少し、気楽に構えて、いろいろと聴いてみてはどうか?

これにつきると思います。

この前書き部分をあまり厳密に受け止めて、「そうか真面目なドイツ音楽は楽しくないんだ・・・」などと思われると、またそれはそれで著者の真意を誤解してしまわないでしょうか?私はシューベルトの弦楽五重奏曲でも、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲でも、やっぱり楽しいし、もっと多くの方が聴かれてもいいと思って居ります。

玉木氏は、言ってみれば「賢そう見えるから聴く」といった態度を批判しており、どんな曲でも、自分の耳と心が素直に楽しんでいるかどうかをもっと大事にするように、と促していると感じました。

こういったお蔵入り名盤探しでは、中々面白い曲に巡り会えない・・・と正直に仰っているのが、面白いところ。そう思いながらも、さまざまな曲を精力的に聞く中で、「この曲を作りたい!」という作曲家の意気込みを感じた曲を選んだそうです。

こういった埋もれた名曲案内は、通常、さまざまな曲を散々聞かれた方が手にするものかも知れません。とは言え、今からクラシックを聴いていこう!という方が、一般的な名曲案内を右手に、左手にはこの書籍を持っていても面白いのでは?シューマンや、チャイコフスキー、エルガー、ショスタコーヴィチといった名前も時々でてきますので、全く縁遠いということもないはずです。

では、どんな曲が・・・と気になるところですが、websiteが立ち上がっていまして、曲名だけは全部開示されて居ります。

http://8724.teacup.com/justint/bbs/2

作曲家名や曲名だけでも、なかなか興味深いもの。

私自身、やっと1〜2割ほどの曲を知っている程度で、そういう意味では、とても書評をするなどおこがましいのであります。(お恥ずかしい!)

*****

折角ですから、かろうじて、私が知っている曲で、「これこれ!」と思ったものの中から、幾つか名盤をご紹介致しますと、、、

入り易い様に、それほどマイナー過ぎないところで、選んでみますが、、、

◎セルゲイ・タネーエフ 協奏的組曲

EMIオイストラフ全録音Box輸入盤(17枚組)の商品写真ラフマニノフやプロコフィエフの先生に当たるロシアの作曲家。この曲は、 タイトルから判る通り、ヴァイオリン協奏曲風の作品。

単品もありますが、何度も推薦して来たEMIオイストラフ全録音Box輸入盤(17枚組)をやはりおすすめしたいと思います。このタネーエフの協奏的組曲は、オイストラフとしても屈指の名演という声もありますし、これが実に安価のセット(現在、新譜の2枚分ほどです)。

このセットの詳細曲目については、

http://sergejo.seesaa.net/article/105631045.html

に御座います。他にも、いわゆる名曲から、なかなか聴かない曲まで、たっぷりとオイストラフの豊かなヴァイオリンをお楽しみください。

◎ドミトリー・ショスタコーヴィチ 《二人でお茶を》

シャイー指揮 ショスタコーヴィチ:ジャズ音楽集の商品写真次は、ショスタコーヴィチが書いた気軽な音楽。《二人でお茶を》は《タヒチ・トロット Tahiti Trot》とも呼ばれます。手に入り易いものでしたら、例えば、シャイー指揮 ショスタコーヴィチ:ジャズ音楽集に収録されております。

ショスタコーヴィチがこういう曲を書いたことが「判る」という方もあれば、「意外!」と思われる方もあることでしょう。交響曲だけでなくぜひどうぞ。

ショスタコーヴィチ:管弦楽曲集(5枚組)の商品写真いでながら、ショスタコーヴィチの映画音楽その他あまり日の目を見なかった管弦楽曲を集めたCDがでておりますので、折角だからご紹介致します。

ショスタコーヴィチ:管弦楽曲集(5枚組)

映画音楽や機会音楽なんて、片手間につくったんだろう・・・と、たかをくくっていると、意外にも見事にショスタコーヴィチらしくて、楽しんでしまうのではないでしょうか?

さて、最後の一つは、

◎ハインリヒ・ウィルヘルム・エルンスト 六つの対位法的練習曲

この曲については、エルンストの紹介も兼ねて、過去に一つ関連記事が御座いますので、ぜひご覧ください。この曲は何度もおすすめしているので、このブログでは有名曲かも知れません!

http://sergejo.seesaa.net/article/95844242.html

いま現在、記事中で推薦しているインゴルフ・トゥルバンの名録音が手に入り難い状況ですが、遅くともまた数ヶ月経てば入荷するのではないかと思います。

*****

多分、著者のお考えは、この本を片手に「これが名盤!」などという風評にとらわれず、気ままに録音とめぐりあうことでしょう。小生の推薦は上の三つにとどめたいと思います。期せずして、ヴァイオリンばかりになってしまいました。

では、また次回!

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posted by sergejO at 23:52 | Comment(4) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
この記事へのコメント
玉木さんご自身が、私の旧ブログを探し当てて(ログから察するに、おそらく、クラシックについてリスト的なものを記事にしているブログを幾つも捜した中にあったのだと思われます)、玉木さんのご著書を紹介して差し上げなくちゃいけないかな、とは思っているのですが、じつはまだ現物を探し当てていません。書籍類は基本は手にとって「良い」と思って買うことにしています。
・・・で、BBSのリストに上がっている曲を拝見する限り、確かに知らない曲も大いには多いのだけど、「好きな人はもう聞いてるよなあ」というものが散見され、全著「・・・革命論」に続き、私個人としては内容にあまり期待していません。
・・・こんなコメントですみません。

ただ、世の中、玉木さんがお考えになっているより、「自分なりマニア」の人は結構いらして、玉木さんが選曲した程度の曲でしたら、それぞれの守備範囲に即して聴いてしまっている、というのが実情ではないでしょうか?

あんまり悪く言うつもりはないのですけれど、発想・狙いに突っ込みが足りないとの観は否めません。

ああ、でも、自分のブログじゃ、あんまり批判できないなあ。かといって、ここでこんなこと綴っちゃった責任はあるなあ。。。
Posted by ken at 2009年01月23日 00:22
「発想・狙いに突っ込みが足りないとの観は否めません」とは、私レベルでは申せませんが、なんとなく判る気が致します。
でも、一般向け書物だと考えれば、いいのかなと。「いろいろあるんだから!」と横目にちらっと気にしておくだけでも、まーいーのでは、と思って居りました。
Posted by sergejO at 2009年01月23日 01:03
本日、現物を拝読して、記事を書いてみました。

http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-0619.html

・・・どんなもんでしょうか?
Posted by ken at 2009年01月23日 23:04
いや、誠実に書かれていらっしゃって、感服でありました。
前書きの部分その他、ご指摘の通り、罪作りなんですよね、話半分に読まないと・・・
Posted by sergejO at 2009年01月24日 00:53
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