前回に引き続いて、9月4日のアントン・ブルックナー Anton Bruckner の誕生日にちなんだ内容で!
今回は、書籍ですでに1960年代のブルックナー・ブーム・・・もう50年も前なんですね、、、に邦訳も出ていた書籍
・エルヴィン・デルンベルク 著『ブルックナー その生涯と作品』白水社
最近ようやくこの本を読み終えたので、ごく簡単にですが、ご紹介と参ります。
エルヴィン・デルンベルク 著『ブルックナー その生涯と作品』白水社の概要
この本、新刊で買うと6,000円と結構高く、表紙も地味なので、ややこしい本なのではないか、、、と積ん読したまま早5〜6年経ってしまいましたが、一読の感想はなかなか標準的な良い伝記&作品解説でした!
ざっくり言えば、全部で300数十ページの分量で、始めの50ページほどが序論、次に第二部として伝記が100余ページ、最後の第三部が残り180ページほどの長さで交響作品の解説となっています。
もう少し詳細に触れれば、序論は、シューベルトとの共通性を語ったり、最近はそんなに聞きませんがブルックナーとなれば、いつでも出て来た神秘主義的な衒学的云々にダメ出しをしながら、こんな人物でこういう作品を書きましたよ・・・というところを自由に述べて居ります。兎や角、難しく考えずに聞きましょうとでもいった健康的な態度です。
第二部の伝記が、幾つか他に伝記を読まれた方なら、目新しい感じはしないかもしれませんが、逆に言うと、ここ10年、20年に刊行された安価なブルックナーの伝記の内容なら、こちらに先にしっかり入っていたということになります。
特色は、ブルックナーの考えや思いを、交友関係者の備忘録や手紙やらから丁寧に抜いて来て、ブルックナー自身の言葉できちんと語らせている事。現在お求め易いブルックナーの伝記の中で、この点で一番引用の分量的がしっかりしているのが本書では?周囲の音楽家がブルックナーにどう対応したかも、彼らの言葉で証言させる姿勢なので、理解がしっくり来ます。
最後の第三部の交響曲解説は、譜例をふんだんに引用しながら、各交響曲の聞き所、ブルックナーらしい特徴を淡々と指摘。初めていろいろブルックナーの交響曲を楽しむ方には良い伴侶となる内容です。
ブルックナーというと、原典版、なんとか版といろいろややこしく、呑気に聞いているだけの私は、どれがどの版だかも対して意識していませんが、それは兎も角、原稿の各種改訂、生前にでまわった印刷譜、その後のハース版、ノヴァーク版、原典版等々でどういうところが違うのか、その特色を要所要所抜き出しながら説明してくれるのがなかなか面白いところ。
刊行後、50年経った現在ですと、その後の研究で訂正すべきところがありやなしや、無学の小生にはなんともですが、普通に楽しんで聞く分にはなんの不都合はないかと思います。
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いずれにせよ難しそうと何年も敬遠していながら、読みはじめれば、これが面白くて一気に読んでしまったこの書籍。もう刊行後大分経っていますし、この内容なら、もうちょっと写真などちりばめて、新書程度のサイズで2,000円ですとか、それこそ最近流行の厚めの文庫などで出したらもっと売れるのではないでしょうか?そこが少しもったいなくて惜しい気が致しました。
エルヴィン・デルンベルク 著『ブルックナー その生涯と作品』
新刊で6,000円はちょっととお思いの方にも、半額程度の安い中古は、Amazon.co.jpはもとより、古書店の実店舗にも溢れているでしょうから、そちらで手に入れる事もぜひお考えください。
では!
関連のおすすめ:
ブルックナーの交響曲以外の作品についての解説には、根岸一美著『作曲家◎人と作品 ブルックナー』をどうぞ。
簡単なご紹介はごくごく簡単ながら、過去に記事にしておりますので、よろしければ。















ひとことだけ。
必読の名著だと思います!!!
良いご本の紹介をありがとうございます!
この本、絶対新書か文庫でだすべきですよ!値段で躊躇することが多いかろうともったいない気が致します。
わたしも昨年、kenさんにうながされなければ読むのがずっと積ん読だったかも、、、