2007年11月12日

ヴァイオリニスト ジョゼフ・シゲティ ― 1931年(昭和六年)東京朝日新聞インタビュー 1/2

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先日、Look4Wieck.comに往年の名ヴァイオリニスト ジョゼフ・シゲティの記事(略歴、おすすめ名盤や書籍などご紹介しております)をUP致しました。

その頁の最下部で紹介しているwebsiteの一つに、シゲティ初来日プログラム(1931)(昭和六年)というものがありますが、そこには
尚シゲティはこの公演時、東京朝日新聞のインタビューにも答えており、その内容はかなり興味深いものがありました。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page082.html

と書かれてありまして、「一体どんな内容だったのだろう」と気になったので某大学の図書館に行って、調べてまいりました。

「昭和6年・・・5月、5月の末・・・」とめくっていると、小津安二郎監督のサイレント時代の名作が、

屋根裏の悲劇 映畫物語『その夜の妻』

などと紹介されてありました(映画好きなので気になってしまいまして・・・)。この作品は前年の昭和5年に上映されているはずですが、なぜこの時期に克明にストーリーが紹介されているのかは、さっぱり判りません


来日日に近づいたようで、インタビュー記事の前に広告を見つけました。これがまた時代を感じさせます。

シゲッティ氏 提琴大演奏会 於 東京劇場

シゲッティ」「提琴」「大演奏会」「」「廿六、廿七・・・」とすべてが時代を感じさせます。この東京劇場は東銀座にあるいまの東劇のようです。字が小さいのですが、入場料が五円、三円、一円というのもなんかすごいです。

ここで気になったのが、スポンサーらしき”ーママ養滋音美”の存在。どうものど飴のようですが、シゲティの写真の横に小さくママー愛用者ヨーロッパ樂壇の寵児シゲッティ氏と書いてあります。これはさすがに宣伝文句だと思うのですが、真偽のほどは確認しようがありません。

戦後のものならば、ママーというミルクキャンディーがあるのですが(こちらに写真)、これとは多分違うような気がします。

・・・とすっかり逸脱してしまった広告が載っていたのは、五月二十三日。いよいよ公演が迫ってきていますが、翌日になると、

シゲッティ氏 きのふ來朝 欧洲樂壇の大立物

との記事が、船上で手をにこやかに振る写真と共に載っていました。その直ぐ下には、山口県の競馬場の事件のようで、日本刀を揮って馬二頭を眼にもとまらぬ早さで突刺して、この男の最期を見よと割腹す・・・と書いてあったのが、またまたなんだかすごいです。

シゲティは中国で演奏会を終えて日本に向かい、プレジデント・マヂソン号で、23日午後四時に神戸から横浜に到着。同行しているピアニストは、十八歳で将来の大ピアニストとして嘱望されているマガロフ君 ― マルタ・アルゲリッチも師事したニキータ・マガロフ ― とあります。

そこで来日の動機を語っているのが、面白いものでした。まどろっこしいので、現代表記で引用します。

昨年ニューヨークで藤田嗣治画伯にお目にかかった時、なんともいえぬインスピレーションを得たのです。私の東洋というものにあこがれを持ち始めたのはこの時からと言ってもよいと思います

画家の藤田嗣治との交流がきっかけとは知りませんでした。意外といえば意外です。後に親日家とまで言われたシゲティに東洋そして日本への興味を持たせた藤田自身は、日本に居場所を探せず、後年ヨーロッパに隠遁します。奇妙といえば奇妙なめぐり合わせです。シゲティの意気込みは相当なもので、

私はこの五日間の演奏によって私の全部をお聞かせすることが出来ると思い、私の最善の努力を致すつもりです。どうぞその上で忌憚なき批評をして下さい

と述べています。致すつもりですなんて口調ですと、シゲティが紋付羽織袴に身を包んでいるような錯覚に襲われます・・・と、ちょっと長くなりましたので、今日はこの当たりで。また明日!
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