2007年11月04日

バレンボイムのマスタークラス 1/3

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今年の8月下旬で、少々前の話になりますが、NHK衛星で放送された《バレンボイムのマスタークラス》という番組が大変面白いものでした。YouTubeで抜粋をいくつか見つけたので、それについて書くことに致します。少々長くなりますので3回に分けることと致します。

さて、この番組の原題は BARENBOIM ON BEETHOVEN - Piano Sonata Masterclassesですが、内容はその名の通りで、若手の有望ピアニストにべートーヴェンのソナタを弾いてもらい、バレンボイムが問いかけを通じていろいろとコーチしていくというもの。コーチと言っても、バレンボイムは「こうやれ」とか「これが伝統的!」と押しつけるのではなく、対話を通じながら、「こうは考えただろうか?」「こうとらえて見たらどうなるのだろう?」といろいろな局面をお互いに考えてみましょうというスタイルです。

番組を見て、何よりも驚いたのはバレンボイムの真摯な態度と教養の深さ。若手の演奏をじっと見るまなざしは真剣そのもので、曲が終わるとここそこと矢継ぎ早に質問を投げかけます。収録前にセッションがあったのかどうか判りませんが、バレンボイムに教養のストックがなければあのようにはいろいろ出てこないと思います。こちらもすっかり勉強になりましたが、やはり偶然この番組を見ていた友人と話をしたら、彼もやはり同じ思いだったようです。

その放送では、フランスの若手David Kadouch ― カドゥシュという発音でよいのかしら ― ソナタ第16番を弾きますが、それに対するバレンボイムのコメントは、記憶を頼りに書きますと・・・

「そこの記号は?」
「前の部分に続いてピアニッシモ」
「じゃー、なぜそこを強く弾くんだい?」
「うーーん、そうしたいから!だね」
「あ〜〜、それでは足りないよ、いつでもちゃんとした理由を求めないと!さぁいいかい、『そうしたいから』なんて答えはなかったことにして、もう一度訊くよ・・・なんでフォルテにするんだい?」

こんな具合に始まって、先ずはカドゥシュがある音を強く弾いた目的 ― その音を際立たせたかった ― を引き出し、カドゥシュの考えたように強く弾くのと、譜面を守りながらもむしろちょっとソフトに弾くのとどちらが効果的なのかを考えて行きます。

自分は勿論ピアニストでもなんでもありませんが、こういうものを見ると、仕事その他で人と接する時、知らず考えを押し付けたりしてはいないだろうか・・・と我が身を反省してしまいます。

=====

調べたところ、先月この番組は再放送されていました。8月放送時、偶然TVを付けたのが中国出身のラン・ラン氏のパートからだったので全部見たかったのですが、見逃してしまいました。また再放送もあるかと思います。その時はここでご案内致します。

DVDバレンボイムのマスタークラス(2枚組)の商品写真(2008年10月4日注:まだ日本語版はないので、英語のみの輸入盤ですがこのマスタークラスを収録したDVDが出ています。Amazon.co.jpのページには、リージョンコード1とありますが、実際はAll Region。日本製DVDでも問題なく鑑賞可能。大変素晴らしい内容と感銘を受けました。ぜひご覧下さい。)
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posted by sergejO at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | TV番組から
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