2007年11月09日

ピアニストとしてのショスタコーヴィチ

このエントリーを含むはてなブックマークBuzzurlにブックマークこの記事をクリップ!Yahoo!ブックマークに登録
Look4Wieckに一昨日、ウェイン・ワン監督の映画『スモーク』とそこに使われたクラシック音楽にちなんでおすすめ名盤を紹介するの記事をアップ致しました。

その映画で使われた曲とは、ショスタコーヴィチのピアノ曲 24のプレリュードとフーガ Op.87。おすすめ名盤は、やはり、作曲者自らがピアノを弾いた録音と致しました。

この録音、ショスタコーヴィチのピアノのリリカルな音も素晴らしいですが、その演奏がときにリズムを楽しんだり、ときにそっけなかったり、ときに本当に綺麗だったり、変な思い入れがないのも面白いものでは?

ショスタコーヴィチの演奏を聴いていると、冗談をだんまりしかめっつらで聴いていて、突然ワンテンポ遅れて笑い出す・・・勝手にこんな人物像を造っています。上のリンク先の記事、ご覧いただければ幸いです。

折角ですから、本日はこの記事にちなんでショスタコーヴィチのピアニストとしての側面を少々ご紹介いたします。

参考にした書籍は、主にローレル・E・ファーイ著『ショスタコーヴィチ ある生涯』です。

ショスタコーヴィチは1906年の帝政末期のロシアはペテルブルグ生まれ。母親ソフィアはペテルブルグ音楽院のピアノ科に在籍したこともあり、父親も妻の伴奏に合わせて歌うという音楽に溢れた家庭でした。しかし、ほんとうに小さい頃は音楽に興味を見せたことはなく、ようやくピアノを習いだしたのは、1915年 8歳も終わりの頃。ある日、姉のマリアがピアノを弾くのを聴いて、「自分も!」となったそうです。

最初の手ほどきは母親が行いましたが、絶対音感と記憶力がずば抜けており、本格的に習わなければと、ものの数ヶ月でペテルブルグのグリャスセルという教師が営む音楽学校に通い始めます。ピアノを始めた半年後には、チャイコフスキーの≪子供のアルバム≫の半分ばかりを暗譜で弾いたそうです。

この後、母ソフィアは、作曲にも興味を示し始めた息子に、グリャスセルの指導法はあわないと感じ、幾人か教師を変えながら音楽院入学のための勉強を始めさせます。1919年秋には母親と同じペトログラード音楽院 ― 第一次大戦を契機にペテルブルグというドイツ風の名前からロシア風に変わりました ― に入学。ピアノ科と作曲科の二過程を履修することとなりました。これには、その演奏と作曲を評価した作曲家アレクサンドル・グラズノフの後押しがあったといいます。

入学翌年に移ったニコラーエフ教授のピアノのクラスでは、ウラジミール・ソフロニツキーとマリア・ユージナが同門。ピアノ科の卒業は1923年ですが、卒業試験の試験官の一人でもあったグラズノフは、

洗練されており、気取りがなく真心がこもっている点で際立っている

と最高点で評価しています。

その後、今ひとつ不明な事情で放校・モスクワ音楽院行きのごたごたもありましたが、結局元のペトログラード音楽院 ― 実際はまたまた都市の改名で、レニングラード音楽院です。ややこしいです。 ― の大学院課程で作曲とピアノの勉強を進めます。

学生時代から、ソリストないしは伴奏者として、自作曲を含めたコンサート活動もこなし、生活の糧に映画館でのピアノ伴奏のアルバイトの経験もしています。

1927年には第一回ショパン・コンクールにロシア代表の一人として参加。自らの演奏に自信もあり、聴衆の受けにも手ごたえがあったものの、優勝はロシアのレフ・オボーリン、二位・三位はポーランドのスピナルキーとエトキン=モスコフスカに渡り、ショスタコーヴィチは特別賞にとどまりました。これには、ポーランド人からなる審判団が採点に手心を加えたという話もあるそうです。

コンクール後も、コンサートに出演したり、劇場付きの奏者になったりとピアニストとしての活動は多くありましたが、年を追うに従って作曲家としての側面が大きくなったと言ってよいかと思います。

なお、こんなショスタコーヴィチですが、作曲中はピアノはつかわずにひたすら頭に浮かんだ楽想を譜面に書付け、仕上がった後に漸く弾いてみたとのこと。
◎作曲家や演奏家の名前から他の記事を探すには:
作曲家から探す / 指揮者から探す / ピアニストから探す / ヴァイオリニストとその他の演奏者から探す / その他の記事(売れ筋ランキングやコンサート評etc)を見る

◎ご紹介した曲や本のジャンル(交響曲かピアノ曲か、伝記か自伝かetc)から探すには:
曲や書籍のジャンルから探す

タイムリーな記事のご購読にはRSSが便利です。
RSS 1.0(RDF Site Summary) / RSS 2.0 / はてなアンテナ
posted by sergejO at 07:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: ハンドルネーム可です

メールアドレス: 未入力OKです

ウェブサイトURL: 未入力OKです

コメント: ご随意に!

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Top / 記事一覧:作曲家別 / 指揮者別 / ピアニスト別 / ヴァイオリニストとその他の演奏者別 / その他の記事
Copyright© 2007-2009 sergejo_look4wieck.com All rights reserved.
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。