2007年11月24日

ジェラルド・ムーアの『お耳ざわりですか − ある伴奏者の回想 −』を読んで

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最近、読んだ本がなにを今更ですが『お耳ざわりですか − ある伴奏者の回想 −』。フィッシャー=ディースカウの伴奏で著名なイギリス出身のピアニスト ジェラルド・ムーアの伝記です。

400頁ほどの本ですが、あまりきつくならない大人な物腰とやや自嘲気味ユーモアが心地よく、結構すんなり読めました。自らの生い立ちはもとより、伴奏をつとめた数々の歌手や独奏者 − フィッシャー=ディースカウはもちろん、ソプラノのシュヴァルツコップ、キャスリーン・フェリアなどなど −のこぼれ話、また友人だった同じくイギリス出身のピアニスト ソロモンへの哀惜をつづった文章などで構成されています。

そこで一つ、ちょっと長いものですが面白い挿話をご紹介。録音で歌手や独奏者とのバランスを取る難しさを語った場面に出てくるものです。

(友人である歌手)マギー・テイトは、彼女の自叙伝のなかでこう言っている。「レコードを聴いて、ジェラルド・ムーアを他のピアニストと取り違える人はいないはずである。彼が他のピアニストと区別される資質は、いったい何であろう。それは、彼がマイクロフォンとの距離に応じて、必要な腕の重さを調節することができるからである。」私はマギーのお世辞に感謝しているが、しかし説明はもっと簡単である。私はマイクロフォンの距離に応じて、自分の強弱法を加減することなどできない。もちろん、私の意見も採り入れられるにちがいないが、私と共演者から同じように音を採る責任は、あくまで録音担当者にあるのだ。さらに付け加えると、私が演奏したレコードで、私のピアノが十分な音量で聞こえるなら − 他の言葉で言うと、完全にバランスがとれていれば −、それは即ち録音担当者の功績なのである。
『お耳ざわりですか − ある伴奏者の回想 −』p.332

あまり勝手なことを言えないものだと、自省させられます。
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posted by sergejO at 15:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
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