2007年12月11日

近衛秀麿著『オーケストラを聞く人へ』- 名著ご案内です!

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本日は近衛秀麿著『オーケストラを聞く人へ』をご紹介したいと思います。

先月初頭のBS Fuji『日本フィル・シンフォニー・コンサート 〜今よみがえる幻の映像〜』を見て、近衛秀麿に興味をもって何冊か著書を読んでみたものの一つです。

執筆の動機について、

まず中学校の生徒くらいを対象に「オーケストラの話」でも書くつもりで、筆をとりはじめたのでした。ところが、これはもともと、自分の好きな道でもあり、久しぶりに新旧十種にあまる世界各国の参考書を読み散らしては、比較対照などしているうちに、自分自身がいささか興味がのりすぎてしまって、さて書きあげてから見なおすと、やや専門的にくわしすぎたのではないかとも思えますが、・・・
と語っています。

類書を幾つか読んだことがありますが、これはそれらの中でも良書と思います。内容は、各楽器について、その受け持つ音域楽器の歴史譜例などをひたすら扱ったもので、巻頭に各楽器の写真もついています。オーケストラを結構聞いていても、各楽器の名前と形と音は意識的に覚えないとなかなか一致しないものでしょう。さーーっと眺めて置くだけで、コンサートに行った時、TVで見る時など、いろいろ着目するところも増えて面白いと思います。

こういってしまうと他の本と変わらないように聞こえますが、譜例に伴って作曲家の書法についてちらっと触れている説明や楽器の音色の描写が、指揮者としての実地経験・見聞を伴ったもので、短いながらもけっこう面白い指摘があります。本書の特質に挙げてよいと思います。

楽器説明が終わった後の数章も面白く読めます。「オーケストラのなりたち」という章では、18世紀から現代のオーケストラの楽器編成比較があって、各時代の作曲家が採り上げた楽器とオーケストラとの間の比例(?)関係を想像できます。末尾に付いた各国語での楽器名称一覧表もなかなか目配せがよいもの。その他「指揮者とはなにをするのか」では簡単に指揮者の仕事・責務について自説を述べていたり、「著名指揮者一覧」では100名以上の指揮者について数行ずつ主には経歴の説明をしていたり・・・

この指揮者一覧は殆どは単なる略歴ですが、たまーーに踏み込んだ意見があって面白かったです。レオポルド・ストコフスキーについて、

自身の談によれば、ポーランド、クラカウの生。
 
これはちょっと笑っちゃいました。ストコフスキーの生まれは方々の説明で異なっていたりするもので・・・。知己の間柄だっただけに、酒席で得た丸秘情報なのでしょうか!?

その他、ハンス・ロスバウドについて、

現代音楽の紹介者として知られているが、一方格調の高いハイドンやモーツァルトものの指揮者としても令名がある。

などなど。

*****

余談ながら、こういう書籍について、各楽器の音域や譜例の演奏などは、映像としてwebでみられると便利です。出版社の方には是非ご一考くださいませっ!
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posted by sergejO at 18:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
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