2008年01月08日

衛星第2放送のバレンボイム マスタークラス第四回 − 生徒ダヴィッド・カドーシュ

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先日の日曜の深夜(正確には1月7日 0:55〜)に衛星第2で放送されたバレンボイムのマスタークラスはやっぱり面白かったです。既に昨年単売開始されたマスタークラスのDVDは持っていて内容は知っていましたが、見始めたら途中で止められませんでした。

ちなみにこのDVDの仕様は音声英語、仏語・ドイツ語・スペイン語字幕付き。クローズドキャプション(←英語字幕のようなものです)はなし。リージョンフリーのNSTCで、収録時間は328分。つまり日本語字幕がないので番組録画が今のところ一番良いという考えも成り立ちます(とは言え、使う用語は限られているので、音楽用語が判ってな他言語字幕をつけておけば大体意味も取れると思います)。

私は前回のランランさんの回で初めて見ましたが、今回の放送は第四回目とのこと。生徒はフランスのダヴィッド・カドーシュ David Kadouchさんでした。2005年の第一回ボン国際べートーヴェン・コンペティションで3位の受賞歴の若手ピアニストです(ちなみに2位は日本の高橋礼恵さん)。

取り上げた曲は、べートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番 Op.30-1の第一楽章 Allegro vivace1802年の作曲ですから、1770年生まれのべートーヴェンが30歳ちょっとの頃の作品。同じ年には交響曲第2番ピアノ・ソナタ《テンペスト》などを作曲しています(ニックネーム付きの《月光》と《テンペスト》の間で半ば埋もれてますが、第15番や第16番なども面白い曲ですので、未聴の方にはぜひピアノ・ソナタ全集を揃えてるとたくさんの発見があると思います)。

バレンボイムの指摘はカドーシュの演奏を具体的にポイント、ポイントをついて指摘したもので、演奏を聴きながらでないと真意は掴み難いと思いますが、一応まとめておきますと。

  • 無音の部分をしっかり捉えること。常に音と無音とが音楽をつくることを意識する。焦りすぎて、走ってしまっている。
  • シンコペーションははっきりとつける
  • 音色や音量で変化をつけても、リズムはむやみと狂わさないといった事も大事
  • 数小節単位でコードが次々に変わって行く場面や新しい和音が出た場面で、きちっとそれが伝わるように演奏すること。その方法は音色の変化やルバートの他にもいろいろある。
  • 多分、(カドーシュは)最初にテンポを決めて、それに合わせて全体を演奏しているように思う。きちっと分析して音楽的な意味がとれるようにテンポを設定していくべき。
  • 楽譜の指示は出来うる限り守ること。「こう演奏したいから」というのは理由ではない。そうする音楽的な意味をきちんと考えること。

この最後の部分は先日も書きました面白い場面で、弱音指定の部分をフォルテで弾いたカドーシュに対して、バレンボイムは何故強調したいのかの意味を考えてみようと話を進め、もし強調したいならば自分ならそれをフォルテにするのではなく、譜面を守りながら、ペダルをなくして、極めてソフトに弾いてみる、「その方がより強調されないかしら」と自ら弾いて見せていました。

一応のレッスンを終えた後、バレンボイムは一息つくと最後に「一ついいことを教えよう・・・ルバートの秘訣とは・・・」と語り始めました。ルバートは時間を盗むことだ。盗んだものは返すのが当然だろう?つまりどこかで早めたら、どこかで遅くする。どこかで遅くしたら、どこかで早くして、全体としてのその部分の時間は変わらないようにするのが秘訣 − ということでした。

後、もう一つ面白かったのが、どこでしたか「そこは母音じゃなくて子音の部分!」という指摘。これは確か園田高弘さん(リンク先はLook4Wieck.comの紹介記事で、略歴・おすすめCD名盤・著書などをご紹介しております。)の本でしたか前に読んで知ったことがありましたが、ドイツ語を学んだ上でオーストリア・ドイツ音楽をやるとそういう感覚が判るそうです。

では、本日はこのあたりで。
また明日!
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posted by sergejO at 13:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | TV番組から
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