2008年01月30日

いろんな演奏家を探してみましょう!ピアニスト編 − クラシックを聴き始めよ〜という皆様へ

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先日の前置き&指揮者編に引き続いて、ピアニスト編です。ピアニストについては、推薦の基準である

  • なるべくたくさんの演奏家を、
  • 順位付けせず、「これが絶対だ!」などと言うことがあっても控えめで
  • (割と)公平に紹介している感じ

にうってつけの本があります。ここでは2冊ご紹介致します。勿論、この二冊以外にもいろいろあると思いますので、ご友人に詳しい方がいらっしゃたら、「こんなこと書いてあるんだけど・・・」とご相談されれば別の名前も挙がると思います。

まず一つ目はHarold C. Shoenberg, The Great Pianists from Mozat to the Present(ハロルド・ショーンバーグ『偉大なピアニスト達 モーツァルトから現代まで』)。これは米紙ニューヨーク・タイムズで批評を書いていたショーンバーグによる浩瀚な書籍で、タイトルにある通りモーツァルトの時代から現代まで、様々なピアニストについて略歴や特徴を紹介しています。

ショーンバーグ著『偉大なピアニスト達』洋書の商品写真当然、録音のない時代については文献にどう記されているかという話をしておりまして、およそ500頁の書物の半分がそういった時代についてです。史実としてどこまで信憑性があるかなどは私にはなんともです。

残り半分が録音のある時代のもので、ショーンバーグは聴いたレコードと自らのコンサート体験を元にひたすら個々のピアニストを描き分けていきます。

後半部分だけでも出てくる人名は何百という単位。取り上げられた中での最新のピアニストは1970年頃の若手 − マウリツィオ・ポリーニやマレイ・ペライア − などです。著作の年代を考えれば致し方ないところです。

北米でも耳目にあがったか否かが、選択の基準に影響しているところはありますが、これだけ名前がでていれば評価すべきかと。20世紀前半・半ばに活躍していた演奏家については細かいです。

こうやって数多く名前を挙げるものは、大体みな誉められていて、「結局、誰がいいんだ?」と迷うことにもなるのですが、読んで行くうちに記述内容のちょっとした違いから自分にあってそうな目星をつけられるようになると思います。当然、辞書的にも使えます

ちょっと難点があるとすると、どの録音がどうという記述がないので、ここで知った名前をネットで調べてディスコグラフィーや推薦盤を探す必要があります。ただ、その方が一批評家の意見に左右されないので、いろいろな方の意見を聞くきっかけになるので良いとも言えるのかしら?

英語自体はそれほど難しくないので、学生の方々には一石二鳥の勉強がてらに読まれてもいいと思います。好きな本なら、英語で読むのも楽しいですよ!輸入盤を探すのに、アルファベットで演奏者名を知っておくのは大変役立つことであります。

吉澤ヴィルヘルム著『ピアニスト・ガイド』の商品写真もう一冊は日本のもので、吉澤ヴィルヘルム氏の『ピアニスト・ガイド』。こちらは300人強のピアニストについて、一人1頁という分量で、推薦盤(若干枚に絞ってあって、取っ付きやすいです)、経歴、特色をまとめてあります。

コンクール受賞歴、使用するピアノ(どのメーカー製のピアノか)、師弟関係といった様々な視点でカテゴライズされているのがgood ideaで、いろいろな探し方ができて、読んでいて面白いものです。

“○○ガイド”なんてあるとお手軽なムック本程度か、、、と思われかねないですが、いやはやそんなことはなくて、かなり聴いている方々でも楽しめて、示唆も多い好著と思います。

(ピアノロールも含めて)録音が残っている演奏家を取り上げているのですが、20世紀初頭からそれこそいまの若手までまんべんなく挙がっています。若手の情報は結構集めにくいものなので、その点でもとても重宝と思います。

わたしもこの中の全員聴いたことがあるなんてとても言えませんが、知っている範囲で言って、推薦盤や記述内容も「絞るとすれば、そういうところですよねー」と納得です。

(多分)大人の事情で、かなり穏やかな表現で皆が誉められています。でも上のショーンバーグ同様、自分にあっていそうな演奏家を見つけるための描き分けはコンパクトなスペースで十分になされていると思います。その点、労作だな〜と関心致します。

勿論この中にも入っていない名人は居て、例えば、有名どころでウィリアム・カペル William Kapellなどそうですが、ショーンバーグの著作には出ておりますので、やはり二冊くらいあるといいのかな〜と思います。「それは誉め過ぎだ!」とか、「これが載ってない!」ということですっかりマイナス評価してしまうとしたら、ちょっと酷だと思います。完璧なものって相当難しいでしょうし、ものは使いようでありますし。

名前を知らないことには、検索も出来ない・・・すると宣伝に煽られているものしか聴けなくなってしまう・・・本と同様、「ベストセラー=最上の品質」と言えるのか・・・こう考えると、上の二冊はなんだかんだいって、自分にとってユニークな音楽経験を得る機会を与えてくれる良書と思います。

*****

DVD『アート・オブ・ピアノ』の商品写真映像作品では、やはりDVDアート・オブ・シリーズの『アート・オブ・ピアノ-20世紀の偉大なピアニストたち-』になるのかしら。これは映像記録ですから1930年代くらいの名人、パデレフスキー、ホフマンからはじまって、ミケランジェリ、リヒテル、グールドに至る18人のピアニストが取り上げられています。

残念なのは、短い映像をコメンテーターの発言を交えて紹介しているのが、ただつないだだけという感じがしてしまうところで、これは同シリーズの『アート・オブ・ヴァイオリン』が同じ構成ながら実に見事な作品になっているのですごく惜しいことであります。

コメンテーターの発言ももっといい言葉を引き出せたと思うんですね・・・選曲ももう一工夫あってもいいかな・・・人数もちょっと少ないですね。

とは言え、往年の名ピアニストの貴重な映像がいくつもあって、「エドウィン・フィッシャーがしゃべってる!」などと楽しめます。最初の頃に買っても今ひとつで、むしろある程度いろいろ聴いてみた後にご覧になった方がいいのでしょうか。すごく期待しすぎるとなんですが、懐に余裕のある方なら気にしなくてもいいかもですね。

なお!!わたくしが遅々すすめておりますLook4Wieck.comの検索頁の演奏者リストについてチェックしてみましたが、結構な確率で上述の書籍・DVDに出てくる名前が入っておりますので、よろしければ検索の際にはお役立てくださいませっ!

ではまた明日!
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