2008年03月06日

音楽家は語る − フルトヴェングラー、ブルックナー、ラヴェル、ベーム、リヒテル

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Look4Wieck.comのTop頁にあります「音楽家は語る」のコーナー。作曲家・演奏家により興味を持つきっかけになればと、様々な著作から私が面白いなと思う言葉を選んでランダムで表示して居ります。Top頁を読み込む度に言葉が変わる仕組みです(よって、再読み込みすれば言葉が変わります)。

今ひとつ売れ行きがぱっとしない(らしい)音楽書籍への関心を喚起できればいいのですが・・・

選ぶ言葉は感心した言葉のごくごく一部ですし、そもそも切りが良くて引用しやすいものだけになってしまっています。心に残る言葉があれば、ぜひその書籍そのものを手に取っていただけたらと思います。

毎月追加しているというわけでもありませんが、今月は8つ追加致しましたので、それをこちらでご紹介致します。

まずはフルトヴェングラーに関する二人のピアニストの言葉
ゴットフリート・クラウス著 『フルトヴェングラーを讃えて − 巨匠の今日的意味』の商品写真バレンボイムの見るフルトヴェングラー
音楽の二元論についての非常に明確な観念が彼にはあった。感情的な関与を抑制しなくても、構造をあきらかにしてみせることができた。彼の演奏は、明晰とはなにか硬直したことであるはずだと思っている人がきくと、はじめは明晰に造形されていないように感じる。推移の達人であるフルトヴェングラーは逆に、弦の主題をそれとわからぬぐらい遅らせて強調するとか、すべてが展開を経験したのだから、再現部は提示部とまったく変えて形造るというような、だれもしないことをする。彼の演奏には全体の関連から断ち切られた部分はなく、すべてが有機的に感じられる。

アルフレッド・ブレンデルの賛嘆
まだピアノを習っていたころ、演奏家には二種類しかないと先生にきいた。一方は美しい主題を感じ、他方は美しい推移を感じるというのである。

もしフルトヴェングラーを聞いたなら、あの先生は絶望から救われたことだろう。

ゴットフリート・クラウス著 『フルトヴェングラーを讃えて − 巨匠の今日的意味』

バレンボイムもブレンデルも共に、フルトヴェングラーの推移の巧みさを指摘しています。この書籍は同時代の音楽家を中心としたフルトヴェングラーに関する文集で、パウル・ヒンデミット、E.フィッシャー、チェリビダッケ、バドゥラ=スコダ、エリアフ・インバル他50余名の言葉があります。1頁のみの簡単な追悼文もありますが、大雑把に言って約半分は面白い分析や逸話の紹介になって居り、興味深いものです。例えば、ブレンデルの文章。上の引用部分は短いのですが、本文は10頁と比較的長め。その分析は中々読み応えがあります。

次ぎは、新潮文庫のカラー版作曲家の生涯シリーズ『ブルックナー』から二つ。

土田英三郎著 『ブルックナー』の商品写真ワーグナーが語ったと伝えられる言葉
ベートーヴェンの域に迫る人物をひとりだけ知っている。それはブルックナーだ。

晩年のブルックナー、ウィーン大学哲学部から名誉博士号を授与されて
どれだけ感謝致したくとも申し上げる言葉もありません。ここにオルガンがあれば私の気持ちをお伝えできたでしょうに。

土田英三郎著『ブルックナー』

このシリーズは、絶版のものもありますが、古書で安価で手に入ります。写真や図版が豊富で作曲家が住んでいた、あるいは、訪れた街並などの雰囲気が伝わります。自分がヨーロッパ旅行した際には、観光案内代わりにつかったりもしました。

アービー・オーレンシュタイン著『ラヴェル 生涯と作品』の商品写真若い作曲家へのラヴェルの助言

もし自分に何も語ることがないなら、作曲するのを永久にやめる決心をするまでは、従来うまく語られてきたことを繰り返す以上のことはできない。何か語ることがあるのなら、その何かは、君が知らず知らずのうちにモデルに忠実でなくなったときにもっとも明確に現れるのだよ。

アービー・オーレンシュタイン著『ラヴェル 生涯と作品』

この『ラヴェル 生涯と作品』は、また別途紹介する機会もあるかと思いますが、ラヴェルの伝記は勿論、さまざまな作品について、かなり詳細な紹介が載っていて重宝します。そもそも訳者の方も、ラヴェルに関するスタンダードな著作ということで、本書を訳して紹介しようと考えた由。私もラヴェルの買い物のときは、この本を参考にします。

弊ブログでも何度も取り上げている、ブリューノ・モンサンジョン著『リヒテル』に、グリーグに関する言葉がありました。

ブリューノ・モンサンジョン著『リヒテル』の商品写真リヒテルの考えるグリーグとは
多くの人々がグリーグを微温的で感傷的な(大方のイ短調の協奏曲への評価を見よ)作曲家と見なすのは不思議な話だ。私に言わせれば、まず何よりも北国の風景や自然のように厳しい人である。

ブリューノ・モンサンジョン著『リヒテル』

この本にあるおよそ300頁のリヒテルの寸評集も、「次に誰を聴こうかな・・・」に大いに参考にしてきました。カラヤン、クライバー、ブレーズなどの同時代の指揮者、アニー・フィッシャー、ヴェデルニコフ、ギレリス、グールドなど同時代のピアニスト、コチシュやエッシェンバッハなどの(当時の)若手へのちょっとした言葉が大変面白いものです。自伝部分と併せて600頁の大著ですが面白いので一気に読めます。

最後は、カール・ベームの伝記から二つ。
カール・ベーム著 『回想のロンド』の商品写真オーケストラの調律について
電気的に一定周波数のA アー を作り出して、これにそれこれのオーケストラは厳密に音を合せねばならないと命令することはもちろん可能である。オーケストラが従順であれば、これに従うことだろう。だが、最近、どういう事態が起きているだろうか?ヴァイオリンのピッチが上がってきているのである。

長年の経験からわたしは、自分は正しいAのピッチをもっている、と主張できる人は原則としていないことを知っている。

オーケストラのハーモニーに必要なこと
何を同僚が弾かねばならないか、個々の楽団員が正確に知っていることは非常に重要である。そうすれば、同僚がアウフタクトを弾く場合でも、自分はアインザッツがあってから入ればよいということが分かるにちがいない。同様にまた彼は、同僚がどこで弱音で弾くか ― それはつまりこの同僚の音が上ずったり、逆に下がりすぎたりすることを意味するが ― 知っていなければならない。一定の音を同様にある周波数だけ低く、あるいは高く吹いて、全体の音律が美しくなるように、当該の和声が純粋になるようにしなければならない。音楽においては、聴くことは視ることよりも重要なのである。

カール・ベーム著『回想のロンド』

今現在、150ほどの言葉が載っているので、お気に召しましたら他にもさまざまな言葉を探してみてください!

ではまた次回!
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posted by sergejO at 15:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
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