2008年03月10日

先日は横山幸雄・矢部達哉とその仲間達(?)の室内楽コンサートに行って参りました at 上野の東京文化会館小ホール 2008年3月6日

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本日はちょっと遅ればせながら、先週の木曜 2008年3月6日に聴いたコンサートのご報告です。ところは上野の東京文化会館小ホール。横山幸雄・矢部達哉さん他(という省略もちょっと失礼かしら、、、ごめんなさい!)の室内楽の夕べ。
プログラムは

  • ガブリエル・フォレ ピアノ五重奏曲第2番 ハ短調 Op.115
  • 休憩
  • ロベルト・シューマン ピアノ五重奏曲 Op.44

の二曲。メンバーは、

  • 第一ヴァイオリン 矢部達哉
  • 第二ヴァイオリン 双紙正哉
  • ヴィオラ 鈴木学
  • チェロ 山本裕康
  • ピアノ 横山幸雄

の五名でした。

ピアノは横山さんですから上手いものです。奇麗な音を響かせる以上のことを考えている演奏者として、私が寡聞にして知らないだけかもしれませんが、近年のメジャーどころでは貴重な存在と思っています。一つ一つの音、一つ一つのパッセージに意味があるようで、その意味も辛いとか哀しいといった文学的な内面の吐露でなく、ただ単に音楽だと感じます。

全体として、フォレの方が良かったかしら・・・このメンバーでのセッションがどの程度行われているか存じ上げませんが、フォレにせよ、シューマンにせよ、メンバーの経歴を拝見して、もっとできる!と希望してしまいます。

特にシューマンについては、リズムを刻む躍動感が足りなくて、まだまだお互い安全運転で音を置いているような感じがしました。大きなラインも今ひとつ見えなかったかな・・・悪くはないのですが、悪くはないのですが、やっぱり、もっともっと上を狙ってほしいと思いましたし、セッションを重ねれば重ねるほど良くなる余地があると感じました。

ただこういうことは、

  • 私の調子が悪いのか、
  • そもそも耳が悪いのか(←この可能性は高いです!)、
  • 会場が広いのか、
  • ピアノが強すぎたのか(←フォレよりもシューマンで横山氏はピアノの描写を強めていて、弦に「もっとやっていいんだぞ」と言っているように聞こえました。気のせいかしら!?)、
  • 私の席が宜しくなかったのか(←右の奥の端)

等々、なんとも言えない部分があります。

******

EMI フォレ室内楽曲集の商品写真隣席のかわいらしいご夫人連が、「わたし五重奏なんて聴かないし・・・」「横山さんも、矢部さんも、ちょっとふっくらしたかしら」「かわいーわねー」という会話をしていらっしゃって、内心かなりウケてましたが、もしご家庭で聴かれるとしたら、フォーレはEMIの室内楽曲集(5枚組)がやはりお薦めでしょうか。

他の演奏家で推薦してしまって失礼ながら・・・当日にメンバーに録音がないのでご勘弁を!

この5枚組は言わば様々な演奏家の寄せ集めですが、フェラスとバルビゼのヴァイオリン・ソナタ、トルトゥリエとハイドシェックのチェロ・ソナタ、サンソン・フランソワのピアノによるピアノ四重奏曲1番(いい演奏ばかりですが、これがまたいかにもフランソワ!)などなど。ピアノ四重奏曲2番と2つのピアノ五重奏曲はコラールとパレナン四重奏団の演奏です。

EMI フォーレ 室内楽曲集(5枚組)の商品写真2008年5月12日注:
このEMIのフォーレ室内楽曲集(5枚組)が廉価版になって再発売されました。曲目も演奏者もまったく同じですが、価格が相当おやすくなっています!

お求めの際には、こちらのほうで!

ユボー/ヴィア・ノヴァのユボー室内楽全集の世評も高い名録音と比べると、といっても上の様に演奏者がさまざまなので比べるのは難しい話ですが、全般的に柔和な美しさを求めるならユボー曲の形が判る、ダイナミックな演奏を求めるならEMIのセットがいいと思います。

踏み込んでいってしまうと、私の好みも後者の方。フォレには始終もやもや〜としていて、優しいパッセージが聞き所というイメージがあると思いますが、このEMIの室内楽曲集を聴くと変わるところがあるのでは?ピアノ五重奏曲にしても、コラールとパレナン四重奏団の丁寧にして、きちっとしたフレージングのお陰で、「そういう曲だったのか・・・」と思った部分が多々ありました。

ゼルキン&ブッシュSQ シューマンとブラームスのピアノ五重奏曲の商品写真シューマンのピアノ五重奏曲ですと、すっかり往年の名盤ですが、やっぱりゼルキン/ブダペストSQまたはゼルキン/ブッシュSQの演奏が魅力的!!と思います。

こういうものは、機械的な正確さでアンサンブルといった意味で、多少乱れようがなんだろうが、今は中々ない面白さと言ってしまえるのではないでしょうか?実はお互い呼吸を合わせていて、これぞ仲間!という感じ、聴いているこちらも楽しくなってきます。

朴訥と言えば、朴訥な表現ながら、小奇麗な表現がないのはかえって好みです!

カップリングのブラームスでブッシュSQがとても光る気がします。自分でも何故だかよくわからないのですが、ブラームスの室内楽を聴くにあたって、ブッシュSQには特別に心ひかれてしまいます。

******

そうそう、ちょっと驚いたのが、会場の平均年齢がざっと見て60歳以上。クラシックのコンサートにはご年配の方は多いものですが、今回はそれでもちょっと極端だったかなと。価格/人数で割高なのか、室内楽は年を重ねて段々面白くなってくるのか(そんなことないですよね!)判りませんが、このまま10年、20年経った時、どうなるのだろうとふと思ってしまいました。

CDのリリース状況を見ても、室内楽はいま一つ人気がないのかも知れません。私自身、オーケストラやソロのリサイタルと違って、小ホールよりももっと親密な雰囲気で聴きたいな・・・とついつい思ってしまいます。採算を度外視して言うと、せいぜい数百人が入る大部屋で、立ち見で聴けると幸せかな〜と。

ではまた次回!
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この記事へのコメント
フォーレもシューマンも演奏経験がありますが、ホンネ、シューマンの方がバランス取りが大変にムズかしいです。
ピアノが「濃い」からなあ。。。

フォーレはその点、弦とのバランスがいいピアニズムなんですよね。

お国柄の違いも大きい気はします。
シューマンは、弦はピアノに対して相当覚悟を決めて主張する(場合によっては破綻も恐れない)気持ちがないと、まずいい演奏にはなりません。・・・で、それくらい気を入れても、実は崩れない、というのが、この五重奏曲の魅力なんですけれどね。

・・・sergrjoさんの耳、大当たりですよ!


Posted by ken at 2008年03月10日 21:05
>場合によっては破綻も恐れない

ゼルキン&ブッシュSQ、ゼルキン&ブダペストSQってまさにそんな演奏ですね!

それぞれの演奏者が突き刺すように絡み合うのって、即興性も必要で、練習重ねようと、演奏者がその時、ノらないと難しいのかな〜と見てて思いました。(やっぱり、横山さんの意図は「もっとやっていいよ!」じゃなかったのかしら・・・)

前に12chの音遊人という番組で、庄司紗矢香さん特集の時、グリモーがピアノ、マイスキーがチェロに入った五人組で、その点、見事に主張していてすっかり見直した記憶があります。



Posted by sergejo at 2008年03月11日 01:01
コメントは本当にみなさんによって違いますね。そのコメントを書いた方々の演奏を1度聞いてみたいものです。本当にそういう演奏ができるのかどうか。横山くん以上の、矢部くん以上の演奏をする人がいたら教えてください。絶対に聴きに行きますから。のりがいい、悪いで良い演奏ができる程度のレベルがうらやましいです。学生時代にそんなの終わりましたから。
Posted by 指揮者 at 2008年03月24日 17:20
コメントありがとうございます。

ご不快でしたら、申し訳ありませんが、記事をご覧の通り、聴くだけが主の平均的ないしは平均よりはるか下の聴衆である私が感想を漏らすブログですので、むしろ「いえいえ、私はこういう風に楽しみましたよ」ですとか、「聴き所はここなんです」と言っていただければ幸いです。

元の文章も「私はそう考えたけれど・・・でも自身の評価も自身がない」という体裁であることご理解頂ければ幸いです。

いずれにせよ、「ノリの問題ではない」とお教え頂いたことに深謝申し上げます。
Posted by sergejo at 2008年03月24日 20:36
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