2008年03月17日

ヒラリー・ハーンの公演に横浜みなとみらいに行って参りました! with ジャナンドレア・ノセダ指揮 BBCフィルハーモニック管弦楽団

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ハーン独奏 シベリウス&シェーンベルク ヴァイオリン協奏曲の商品写真本日はヴァイオリニスト ヒラリー・ハーンのコンサートに行って参りました。場所は横浜みなとみらいホール。前座 − という言い方は少々失礼でしたらご赦しを!−ではイギリス物の軽妙なエッセイで著名な林望さんが朗読されていました。15:00の公演開始にぎりぎりに入ったので、気づいた時にはもう終わりでちょっと惜しいことを致しました。

今回、サントリーホールの公演があるのを知らずに購入したのですが、家から遠い、みなとみらいホールは初めてです。みなとみらい駅から随分近いのですね。

*****

さて、本日のプログラムは、

  • グリンカ:歌劇《ルスランとリュドミラ》序曲
  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
  • ハーンのアンコール バッハ 無伴奏ヴァイオリン組曲 ソナタ第3番 ハ長調 BWV1005の第三楽章 ラルゴ

休憩を挿んで

  • ストラヴィンスキー:バレエ音楽《妖精の口づけ》よりデヴェルティメント
  • チャイコフスキー:幻想序曲《ロメオとジュリエット》
  • オーケストラのアンコールの曲名が、なんでしたっけ・・・・!?


Jeanandrea Noseda test.gifさて、ノセダさん、ささっと入って来た時、すでにコミカルなものを嗅ぎ付けました。これは頭の3割ほどでいつもバカバカしいことを考えてしまう私の癖です!

客席に挨拶してくるっと振り返る様子がなんともおかしく、これはきびきびリズムのめりはり指揮者か!?と思いましたが、私見では実にそういう感じでした(主席チェロ奏者と握手するときも、、、、写真撮っておきたかった!)。

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今日のメインはヒラリー・ハーンと思いますので、早速そちらの話に移りましょう。

モンサンジョン製作 DVD『アート・オブ・ヴァイオリン』商品写真正直、こんなにいい音!!とは予想していませんでした

ハーンのCDはそれなりに持っていて、グラモフォン移籍後のリリースはエルガーを入れたものだけですが、SONY盤はすべて聞いていました。

彼女がどのように曲を弾くかについては、それらのCDや『アート・オブ・ヴァイオリン』− 一番若いコメンテーターとして参加しながら、一番分析的なコメントをしています −でなんとなくイメージが出来ていました(手前勝手なものかも知れませんが・・・)が、音については、録音のもろもろのせいか、私が鈍いせいか、実はちょっと掴みかねていました。その為に、今回の公演はぜひと思っておりました。

シベリウスの協奏曲でソロが始ると、すーっと弾き始められる音が、大変クリアなほんとうにいい音で、大げさな話でなく、まったく聞き惚れてしまいました。外国の演奏会なら隣の人と思わず顔を合わせるような驚き。

ハーン独奏 メンデルゾーン&ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲の商品写真終始いい音だったのですが、私に取って印象深かったのは、弱音から入って行くスローなバッセージ、またディミニュエンドで終わる同じくスローなパッセージ。ほんとに素晴らしいものでした。

CDだと、少なくとも私の持っているステレオでは、高音部で多少金属的に聞こえるのですが、ホールで音が広がるせいもあるのか、今日聞いた限りはぜんぜんそんなことはなくって、芯があっても実にやわらかく透明に広がって行く音です。

帰宅後、いろいろ確かめたのですが、手持ちのCDでいうと、メンデルスゾーンとショスタコーヴィッチを入れた一枚が一番似ている感じでしょうか?といって、今日の公演を聴いた後では、うーんなんともです。

ハーン独奏 バーバー&メイヤー ヴァイオリン協奏曲の商品写真私が特に好きなCDで言うと、バーバーの協奏曲を入れたものバッハの無伴奏となりますが、どれも一様に水準が高いので、実際どれを手にされてもいいと思います。でも、どうしても一枚に絞ってとなるなら、やはりバーバーかバッハで、、、

三つのCDを併せたお徳用といったら変ですが、安価なセットも出ていてバッハはこちらにも入っています。一枚ずつ買うより結局安くなるやも知れません。

The Hilary Hahn Collection(3枚組)商品写真この三枚組は、バッハの無伴奏組曲(パルティータ2&3、ソナタ3のみ録音です。全曲は出していません)とべートーヴェン、ブラームス、ストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲、そして、バーンスタイン作曲のソロ・ヴァイオリン、弦楽、ハープとパーカッションのためのセレナーデを収録。

今年ソリストのヴァイオリン演奏会は二回行って居りますが、今日の公演はほんと特別で、いつぞや書きましたズーカーマンの公演のように記憶に残りそうです。

私は未聴ですが、グラモフォンからは本日弾いたシベリウスの協奏曲も出ていますね。

*****

さて、指揮のジャナンドレア・ノセダ氏に触れておくと、テンポは活きが良く、振り幅も大きなダイナミクス。しかし、今日の演奏ではチャイコフスキーの《ロメオとジュリエット》に一番よく現れていたと思いますが、全体としてどうだったかな・・・と感じました。問題があるとすれば、推移の妙というものでしょうか?

この曲はチャイコフスキーが20代の後半の頃の1869年に書かれたもので、その後、手直しが何度も試みられ、今の形に落ち着いたのはおよそ10年後の1880年、三度目の改訂のことです。この年には、弦楽セレナード Op.48を作曲。数年前には既に交響曲第4番、オペラ『エフゲニー・オネーギン』、ヴァイオリン協奏曲を書き終えています。

ちょっと聴くといかにもチャイコフスキーらしい甘いショウピースと思ってしまいますが、実際納得のゆく演奏はなかなかないものではないでしょうか?私はかなり好きな曲。チャイコフスキーでなにかお薦めと聴かれると、いつもこれを答えます。

O, She doth teach the touches to burn bright!

荒々しい争いを象徴するような主題と交互に、愛のテーマとでも呼びたいあの甘い主題が三度登場します。この同じ甘いテーマが、印象的に言うと、例えば最初はジュリエットとロメオのまだ無邪気さを感じさせる口づけとすれば,次には狂おしく陶酔する抱擁となり、三度目では美しい思い出だけが残る悲劇に終わります。

対照的なテーマだからと、劇的に切り替えるだけでいいのか・・・ごくごく判りやすいところでは、争いのテーマの中にだって、弦と木管が両家の争いといった風に交代する部分がありますが、それがうまくでていたのか・・・お互いに斬りあうように聴こえたっていいのでは・・・クライマックスとも言える二度目の愛のテーマの前で、木管が同じ音型を繰り返しながら曲調が変わって行く部分がありますが、そこがきちっと意味を持って変化していったのか・・・

このような、ある種当たり前のことが、ほんとうに演奏に表現されていたのか、やっぱり疑問でした。

私がこの曲を最初に聴いたのは、カラヤン指揮のものですが(そのダビングした古いテープがただいま見当たらず何年の録音か確認できません!)、この点、ほんとにうまくて、上に書いた移りかわりは次の変化を十二分に予感させ、二度目の愛のテーマはそもそも折り返しがついてメロディがちょっと伸ばされているのですが、ここで音量の増大だけでなく、一音一音はっきりと、若干テンポの移動をつけてと節回しも変えて絶妙なものでした。

この数年、いや、10年以上?、オーケストラの実演を聴くと、その瞬間・瞬間はたしかにメリハリがあって輝かしいのですが、全体として、それこそ腹の底から響くような盛り上がりを感じないことが多いです。ノセダさんを例に書いてしまいましたが、同じ思いをしたコンサートは他にもいろいろあります。そういう盛り上がりは、音量だけではできないことではないかしら・・・私の行っているコンサートがたまたま良くないだけかも知れませんが・・・

私は素晴らしい盛り上がりを聴くと、ゾワゾワッと寒気がしてちょっと震えるのですが、この《ロメオとジュリエット》もそういうことが可能な名曲だと思いますし、やっぱり、そこまで感じさせて欲しかったなと。

・・・無論、私に今日の演奏を聞く耳がなかっただけかも知れませんので、そうだとすればお許しを!

ではまた次回!

p.s.:今晩、もう小一時間後ですが、バレンボイムのマスタークラスの放送第6回がBS2でありますっ
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この記事へのコメント
はじめまして.
いろいろなブログを観覧していましたら,ここに行き着きました.
ハーンのヴァイオリン,ノセダの指揮についてのコメント,大変的を得ているように思いました.
私のブログにも福岡公演の感想を書きました.よろしければご覧ください.
Posted by ナオG at 2008年03月20日 14:30
こちらこそはじめまして、コメントありがとうございます!貴記事も拝見致しました!

ほんとハーンさん素晴らしかったですね。私はCDを聴いていても、なぜ各所でそこまで絶賛されるのか今ひとつ判りませんでしたが、実演ではほんとに吃驚でした。なんというか曲を忘れるほどでした・・・

昨晩もニューヨークでハーンの18歳のころの演奏を聴かれた方のお話を伺いましたが、来年のリサイタルが今から楽しみです。

p.s.:Mr.Noseda=Mr.Beanで、これは別の意味でまた見たいと思う不純な私です・・・

Posted by sergejo at 2008年03月20日 15:04
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