2008年03月20日

本日3月20日はラフマニノフの誕生日!− ピアノ協奏曲第2番の名盤ご紹介

このエントリーを含むはてなブックマークBuzzurlにブックマークこの記事をクリップ!Yahoo!ブックマークに登録
3月20日はセルゲイ・ラフマニノフ(1873−1943)の誕生日。といっても、これはユリウス暦の話で、我々がいま使っているグレゴリウス暦でいうと、4月1日1月6日のスクリャービンの誕生日でもあった問題(?)です。となると本来4月1日に記事を書くべきで、3月20日という日付だけに合わせるのも妙なのですが、その点はご容赦を!

昨日は、(大変)歯切れの悪いご紹介でしたが、本日は私の好み(=偏見)全開で、しかも、ピアノ協奏曲第2番と参りましょう!

ピアノ協奏曲第2番については、『のだめカンタービレ』の漫画やドラマですっかり広まって、この曲についてのイメージが多々あるかと思います。

「もっと美しく、ロマ〜ンティックに・・・」

「音楽に没頭しろと言ってマス!」

「人を緊張の糸で縛りつけて、いきなり横殴りするようなピアノの序奏から
繊細ながらも力強い・・・心臓を突き刺すようなアルペジオ
そして、オーケストラの大津波 ― 」

・・・というイメージは『のだめ』を読むまで、実はこの曲に持ったことはありませんでした。作曲をした当時のラフマニノフの苦悩の逸話などは聞き及んでいましたが、都会的でちょっとドライで洒落てるなーといった印象の(鈍い)私でした。そんなこんなはさておき、「そうだったっけ???」なんて思いながら久しぶりに聴くきっかけになる・・・が重要なのでしょうねっ

この曲を聴き始めた録音で、そして、いまでも結局聴いてしまうものが影響しているのかも知れません。

RCA ラフマニノフ録音全集(10枚組)の商品写真と言えば、ご想像がつく方もいらしゃるかも知れません!すでに昨年中一つ記事を書いて居りますラフマニノフ自身の録音!冒頭のピアノも多分打鍵の高さを変えただけと聴こえます。全体的にある種さらっとクリアな演奏をしています。

これは単売品もありますが、RCAが10枚組でラフマニノフ録音全集をだしています。第2ピアノ協奏曲の録音は二つ入っていて、ともにストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団。ストコフスキーが時にやる妙なこと(失礼!)もなく、ラフマニノフとともに全体的にどこか透明な音楽を作っています。

ピアノ協奏曲はすべて入っていますが、もう一つだけ触れて置けば、パガニーニの主題によるラプソディーも同じ組み合わせで好演。こちらは都会的でちょっとドライで洒落てるなーにぴったりという感じでしょうか?クールなんですが、ピアノとオーケストラの息もぴったりで、ラフマニノフもストコフスキーもニヤリと楽しそうです。

リンク先のAmazonの頁にはトラック情報がありませんが、その記事の中に演奏者ともども詳細曲目を書いておりますので、ご覧いただければ幸いです。

 このブログの記事:(2007年12月24日)RCAラフマニノフ演奏録音全集について

この10枚組はラフマニノフの作品のさまざまを聴きたいという方にも、ピアニストとしてのラフマニノフを知りたいという方にも、良いchoiceと思います。価格を考えると、作曲家としてもピアニストとしてもラフマニノフを聴こうかなと思うなら、長い目で悪くないと思ってこのセットで紹介致しました(単売価格でのCD数枚分の価格なので・・・こんなことをしているとBoxが山ほど増えて行くわけですが・・・)。

リンク先の過去記事にも触れていますが、クライスラーとのヴァイオリンソナタでは、堅実かつ面白みのある伴奏者としての顔が意外でしたし、ショパンのもろもろの作品は、なかなかいまの演奏者には聴かれない奔放さ!これまた興味深いものです。

必ずしも作曲家が素晴らしい演奏をするわけではない・・・とは思いますが、ラフマニノフは − ついでに言えばバルトークも!いや、誰であってもそうかも知れません− 世評の高い現代の名演奏家だけでなく,作曲者の演奏を聴いておくと随分イメージが変わるな・・・という気が致します!

*****

さて、その他のお薦めは、リヒテル&ムラヴィンスキー盤は、残念ながら今現在入手が難しい様子・・・(なにかのBoxにでも入っているかも知れません)

そこで近々書きますムソルグスキーの誕生日(ユリウス暦3月9日、グレゴリウス暦3月21日。9日に記事にするのを忘れてました・・・)までとっておこうかと思いましたウィリアム・カペル William Kapell の演奏を取り上げたいと思います!

カペルのこの演奏も前にちらっと触れたことがありますが、名前がメジャーとはなっていないだけで素晴らしい演奏家なのでちょっと贔屓気味にお薦めしたいです!

カペルについては、Look4Wieck.comの記事でも本人の演奏YouTubeと併せてご紹介をしております。

Loo4Wieck.com いろんなところでクラシック:数学者 小平邦彦とクラシック音楽 〜『怠け数学者の記』(主な紹介曲:ハチャトゥリアン ピアノ協奏曲他、夭折のピアニスト W・カペルの名録音)

カペル演奏 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番他の商品写真この演奏は、単売品でもパガニーニのテーマのラプソディー他と併せて出ていますピアノ協奏曲第2番の指揮はウィリアム・スタインバーグ。ラフマニノフ&ストコフスキーに比べれば情熱的な演奏。管弦楽もスタインバーグの指揮だけでなく、録音年代の差や、人数の違いもあるのかより重厚です。

とは言え、情熱的でありながら、思い入れたっぷりというには、カペルのピアノはどこかクールなところもちゃんとあって、それでいてやっぱり感情豊かで、優しくて・・・こういう風に柔な印象しか語れず我ながらなんですが、名演と思います。

パガニーニのテーマによるラプソディーの方は特にそうなのですが(こちらは指揮者フリッツ・ライナー)、指揮者と音楽作りの方向が少し違っている気がしなくもないです(協奏曲にはよくあること!?)。カペルのピアノだけ聴いていると、オーケストラよりもっと爽快にリズムを楽しむ様なところがあったり・・・オーケストラと共に激しくいくところもありますが、ピアノはここで抑えめにしているのに・・・と思わせることも。

いずれにせよ、べたべたっと思い入れをこめるような演奏だけが、情熱的ではないということを教えてくれるピアニストの一人だと重います。

1922年生まれのカペルが21歳の時に、ラフマニノフが亡くなっていますが、その時の日記にこう書いてあるそうです。

何時間も《パガニーニのラプソディー》を弾いて、その間、泣き通していた。だって、偉大なる音楽家、名人はもう居ないんだって判ったんだから。

The Undefeated By Michael Kimmelman

ウィリアム・カペル録音全集の商品写真カペルは30余歳で飛行機事故に遭難。録音は決して多くはないのですが、RCAから上のCDも含めた8枚組のセットが出ていてその全貌を知ることができます。

プロコフィエフの三番はクールな快演!!、後日書きますがムソルグスキーの《展覧会の絵》はホロヴィツやリヒテルの豪快な演奏で聞き慣れているとびっくりするぐらい軽やかでアイディア豊富で楽しくて、まさに一緒に美術館を歩いている気分になります・・・この8枚、聞き所は多いものと思います。

私がカペルの名前を知ったのは、園田高弘氏の書かれたものを通してです。そこではショパンの話をしていたのですが、カペルが面白いことをやっていて、若死にしたが実に惜しいピアニストだ・・・といった内容。

園田氏が演奏者の視点で見た面白さの具体的な技術的要素は私などには到底判らないのですが、上の8枚組に多々入っているショパンでも、カペルは独特な寂しさと優しさが交わう不思議に奇麗な演奏をしています。

なにはともあれ「聴いたことの無いピアニストを誰か・・・」とお探しの方にはぜひどうぞ!

ではまた次回!
◎作曲家や演奏家の名前から他の記事を探すには:
作曲家から探す / 指揮者から探す / ピアニストから探す / ヴァイオリニストとその他の演奏者から探す / その他の記事(売れ筋ランキングやコンサート評etc)を見る

◎ご紹介した曲や本のジャンル(交響曲かピアノ曲か、伝記か自伝かetc)から探すには:
曲や書籍のジャンルから探す

タイムリーな記事のご購読にはRSSが便利です。
RSS 1.0(RDF Site Summary) / RSS 2.0 / はてなアンテナ
posted by sergejO at 14:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | 作曲家の誕生日です!
この記事へのコメント
ありゃあ、セットで出ていたんですね!

私、1枚1枚出た時にそれを集めてました・・・って、3枚しかありませんが。。。

悔しいなあ。

ラフマニノフの演奏スタイルは仰っている通りですね。
手の大きさに由来する部分もあるという話で、名ピアニスト、ルビンシュテイン(彼のラフマニノフ録音も名盤なのはご存知の通りかと思います)は
「私にはラフマニノフは弾けない!」
という信じたられない発言をしたのですけれど、ラフマニノフという人物をも、その肉体をも、おそらくつぶさに観察し、研究したであろうルビンシュテインの謙虚な精神を良く表しているなあ、と、感動したことがあります。
Posted by ken at 2008年03月20日 23:33
青っぽいBoxの前のセットは結構在庫切れになっていたと思いますが、こっちの白いセットは2006年発売で結構最近です。(←レコード屋の店員!?)

いえいえ!ルビンシュタイン、ラフマニノフの録音は少ないなーと華麗に素通りしておりました。その逸話面白いです。今度聴いてみます!

そう言えば、ルビンシュタインの伝記 Harvey Sachs著 Rubinstein A Lifeが積ん読のままであったことを思い出しました・・・500頁超ありますぅぅぅ・・・
Posted by sergejo at 2008年03月21日 00:22
そうそう、多分Kenさんもそうされているかと思いますが、ここ数年はまずBoxや2枚組があるか十分に確認してから買ってます。

これが情報の不備やらなにやらで結構面倒な作業なのですが・・・
Posted by sergejo at 2008年03月21日 06:32
コメントを書く
お名前: ハンドルネーム可です

メールアドレス: 未入力OKです

ウェブサイトURL: 未入力OKです

コメント: ご随意に!

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
Top / 記事一覧:作曲家別 / 指揮者別 / ピアニスト別 / ヴァイオリニストとその他の演奏者別 / その他の記事
Copyright© 2007-2009 sergejo_look4wieck.com All rights reserved.
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。