2008年03月26日

昨日3月25日はベラ・バルトークの誕生日!− 今回は2/2でピアノ協奏曲第3番の名盤のご紹介

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昨日はバルトーク(1881 - 1945)の書籍について書きましたが、本日は好きな曲を取り上げて、その名盤・推薦盤を簡単にご紹介しようと思います。

その曲はピアノ協奏曲第3番。バルトークがピアニストであった妻ディッタの為に書いた曲で、最後の十数小節をオーケストレーションの指示を残したまま世を去りました。

先鋭的な現代音楽家バルトークというイメージで聴くと(ほんの?)ちょっと意外に思う曲でもあって、書法的にも − 私はそういう専門的なことは門外漢ながら − 実際古典的と言える要素があるそうです。

その点、バルトークが苦手と思う方にもかえって聴きやすいかも知れません(昨日、最後の曲と書いたのはちょっと言い過ぎで、最後の曲の一つというくらいでしょうか。後、戦乱を逃れて亡命というのも、本来「ナチス支配下のハンガリーに居ることを潔しとせず」と書くべきですね)。

どこか懐かしげな優しいピアノ出だしに、バルトークらしいリズムと音色の楽しい第一楽章、深夜の森の中で耳を澄ましているような第二楽章・・・私事で恐縮ですが一月かそこら毎日この曲しか聴かずに居たこともありました。

そう言えば、関係あるのかないのか、昨日ちょっと触れた『バルトーク音楽論集』の一節を思い出しますと、民謡というものは古来音楽家の想像の元になっていて、旋律の引用などはハイドン、べートーヴェンにも頻繁に見られる、むしろ、民謡から音楽が離れたのは19世紀の間のことだけなのだとして、田園交響曲のフレーズを持つクロアチアの民謡の節を引用していました(←探しましたp.90です。これが見事に聞き慣れたあの節でびっくりしたものです)。実際べートーヴェンが住み田舎を散策した地域にクロアチア人が多かったとのこと。

だから、ハイドンやべートーヴェンの創造性が低いというのではなく、それが当たり前でそこから名曲を作るのがいわば通例だったのだとの意見。

民謡との関連が親しみやすさの唯一とは言わないが重要な源ではないか、ですとか、民謡研究で常識的な音の配列から自由を得られるが、絶対的に民謡は調性的だ、ですとか・・・

ちょっとややこしいのが、『バルトーク晩年の悲劇』『ある芸術家の人間像―バルトークの手紙と記録』にも出てきますが、民謡というものも幾つか種類があって、ほんとうに古来のもので音楽家に新しい発見をもたらしてくれるものもあれば、都会からの影響で比較的最近成立していたものもあって、、、『バルトーク音楽論集』では実際に譜例をしめして、大きく三つに分けて、その辺りを詳説しています。私も記憶がおぼろげで半知半解なので、その点はご興味あれば皆様でご確認を!(Amazon.co.jpだとえらく高いですが、大きな古書店街ならもっと安く手に入るかと思います。)

*****

アンダ(P) フリッチャイ指揮 バルトーク ピアノ協奏曲全集の商品写真名盤として名高いのは、ハンガリー出身の二人 ゲザ・アンダ独奏フリッチャイ指揮の独グラモフォンの録音1959-1960年のもので、大分古くなり、音質だって決して今の水準ではないと思いますが、私が最初に聴いた録音でもあり、いまでも好きなものです。

第一番・第二番の録音も揃っていて、その点でもお薦めできます。序でながらピアノ協奏曲1番・2番というと、ポリーニ独奏アバド指揮の快演!があって、同じ曲かと思うほどすっきりとして切れ味の鋭い演奏。ポリーニの名盤の一つです。

何を検討するでも無く、ただ聴いているばかりの身ですと、ポリーニ・アバド盤があまりにすっきり、スカッ!としているので、アンダとフリッチャイの方はもしかしてずれているのかも・・・と思わなくもないですが、それはそれで民族的な感じがすると言いますか、不協和音がきちっと鳴っていたり、いろんな異物が聞こえてくる感じがむしろ快かったりします。

A.フィッシャー独奏 フリッチャイ指揮 バルトーク ピアノ協奏曲第3番&チャイコフスキー 交響曲第6番の商品写真ピアノ協奏曲第3番も立派な録音が多いですが、例えば同じフリッチャイ指揮で言うと、アニー・フィッシャーとの1960年のライブ録音

べートーヴェンのピアノ・ソナタ全集その他に名録音を遺すアニー・フィッシャー。私も大好きなピアニストで、一体どういう風に弾くのだろう・・・とかなり興味を持って聴きました。

それほど意外ということも(自分に取っては)無かったのですが、第二楽章など「これを聴かねば!」というほどでないにせよ美しい演奏。カップリングは、同じくフリッチャイ指揮のチャイコフスキーの交響曲第6番《悲愴》

輸入盤アルゲリッチ独奏 デュトワ指揮 プロコフィエフ&バルトーク ピアノ協奏曲集の商品写真もう少し、新しい録音で!という方には、アルゲリッチとデュトワによる1997年の録音(国内盤輸入盤)がEMIからリリースされています。アルゲリッチらしく破天荒なというものではないのですが、アルゲリッチらしい力強さと優しさが聞こえるといったらいいでしょうか。

ピアニストの色が若干濃いかも知れませんが、それでもかなり素直(?)な演奏と思います。

こちらのカップリングは、プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番と第3番。こちらはいかにもアルゲリッチらしい活きの良さを楽しめます!

・・・実はこの記事を用意する前に何度も聞き返しているのですが、聞き所の持って行き方など上の三種の演奏は結構似ているものですが、ゲザ・アンダの演奏は結局終始一貫して感情的なルバートがないのかな・・・と。

この点、アニー・フィッシャーは部分、部分でちょっと、アルゲリッチはアニー・フィッシャーよりもまたもうちょっとそういうところがあるかな・・・と。ただ、それはさして気にならない程度のものかも知れません。

判りやすく変わった演奏というと、フリッチャイ指揮でモニク・アースが独奏した195年の録音がちょっと変わっています。先日ラヴェルのヴァイオリン・ソナタを取り上げた記事で紹介した8枚組のモニク・アース 独グラモフォン全録音セットに入っています。一楽章などはところどころ、「・・・そう弾くんだ!?」と思わせるところがあって、バルトークらしくないかな〜と。この曲に関しては、お薦めとしてはどうかな・・・とも思います。

ハンガリー人の演奏家だけで言っても、上のゲザ・アンダ、アニー・フィッシャーの他に、初演を行ったシャーンドル、若手の世代−今となってはベテランですが−で、もっと自分を盛り込んだように(私には)感じなくもないゾルターン・コチシュやアンドラーシュ・シフの録音などもあります。

今現在、コチシュによる録音の販売状況がちょっとややこしくてピアノ協奏曲がソロ曲集と合わさった4枚組になっており、8枚組のピアノ・ソロ曲集も揃えようとすると、重複が避け難い状態・・・これは今後整理されると思われるので、これらの紹介はまたの機会に!(コチシュのバルトーク ピアノ協奏曲全集は国内盤でという手もありますね)

ラーンキ独奏 フランシク指揮 バルトーク ピアノ協奏曲第3番他の商品写真コチシュ、シフと名前が出てくると、お次ぎはデジュ・ラーンキですね!本日の最後のご紹介になりますがラーンキ独奏、フランシク指揮/ハンガリー国立管弦楽団の録音が素晴らしいもの。フンガロトン Hungarotonレーベルからの発売で人によってはなかなか目にすることもないかと思います。

全体的にはゲザ・アンダとフリッチャイと同じ範疇に入れていいでしょうか?

ピアニストの心情描写という感じがしない、素朴で気品のある演奏かなと思います。そのせいで(?)リズムパターンの変化、唐突にも聞こえる旋律の変化や楽器の掛け合いの面白さが際立っているように思っています。

序でながら、自信なしに書いてしまうと、アンダ&フリッチャイとこのラーンキ&フランシクには、なんとなくユーモアを感じます。

ジャケットのデザインが、私などには大変古い録音に見えてしまいますが、1970年代の録音ですから、音質的に気にすることもないと思います。このCDはピアノ協奏曲第3番の前に、アレグロ・バルバロ、三つのブルレスケ他のピアノ・ソロ曲を40分ほどの分量収めています。この弾き方もなんといっていいのか、かなり好みでよく聴いてしまいます。

未聴でしたら是非どうぞ!バルトークを初めて聴きたいという方にもお薦めしやすいものです。

序でながら、このフンガロトン・レーベル。一枚一枚はそれほどお安くはないのですが、ハンガリーの演奏家の良い録音がたくさんあって、まだ手にしたことがなければ是非いろいろと探してみてください。

Amazon.co.jpのフンガロトン Hungaroton レーベルのCD一覧 via Look4Wieck検索頁

では、また次回!
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posted by sergejO at 12:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 作曲家の誕生日です!
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