2008年03月27日

クラシック音楽愛好家の大先輩! 永井荷風(1879 − 1959)

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永井荷風『ふらんす物語』の商品写真先日、Look4Wieck.comに永井荷風『ふらんす物語』其之貳という記事を挙げました。お時間あればごらん頂ければ幸いです!

これはいろんなところでクラシックという企画の小説やエッセイに取り上げられた曲というカテゴリーの記事で、毎月一つ挙げようと思いながら、前回の永井荷風『ふらんす物語』其之壱から9ヶ月も経ってしまうという・・・

私の読書好きの面を多少とも満足させたいという気持ちと、読書好きでまだクラシックを聴かない人に!という微妙な下心が合わさっております。

しかし、なかなか取り上げやすい本というと少ないものです。ちょろっと言及されているだけだと今ひとつですし、といってあまりにあれもこれもと出てくると、ある程度の長さの記事に収まり難い・・・などと候補を探している内にすっかりおろそかにしておりました。

「そう言えば、あの小説にあったはず・・・」と思い出しても、またしっかり読み返さないとうまくいかないのも難しいところ。似たような記事でも映画やTVドラマで使われた曲の方が、この点ずいぶん楽です。映画などもちゃんと見直しているのですが、かなり細部まで覚えているもので、一部を見るとぱーーっと全体が思い出されて、半分見ながら記事が書くこともできます。

*****

さて、この『ふらんす物語』。荷風がアメリカとフランスに数年暮らし、西洋文学・絵画・音楽に浸っていたことや、オペラ『葛飾情話』の脚本を書いたことは私なども聞き及んでおりましたが、そんなことで「きっと『ふらんす物語』にも音楽を小道具として使っているだろう・・・」と予測して読んでみたものです。いざ、目を通したら、荷風がここまで音楽に夢中でさまざま吸収したのか!と吃驚でした。

といっても、この短編集であるところの本文ではなく、『附録』が吃驚なのです。

端的に分量で言いますと、上に写真を挙げた岩波文庫の全体が448頁その1/5の85頁が西洋音楽紹介のためだけ『附録』に当てられています。この附録が、音楽史的な説明から、オペラハウスとはどんなものなのかというものまで、実に詳細なもの。しかも、文章を読んでいると、「これは素晴らしいものでぜひ!」という心情がひしと伝わって来て気持ち良いものです。

文中には、ロマン・ロランの批評なども読んでいたことが判りますが、パンフレットから、新聞、雑誌、書籍といろいろ興味につられていろいろ渉猟したのだろうと伺えます。

曲を紹介する筆も見事で、引用は上にリンクをつけた記事に幾つかしておりますのでここでは避けますが、これを読んだ当時の人は、「それは聴いてみたい!」と興味をそそられたものだろうと想像致します(死んだ祖父もそんなことを申して居りました。この『ふらんす物語』は発禁処分になったので、どう世間に流布したかよくわからないのですが・・・)。

*****

上の記事を書くためさすがに何ヶ月ぶりなので『附録』だけは読み返したのですが、荷風の紹介の態度には今一度感心させられました。

このブログも「ちょっときっかけがあれば、いろいろ聴いてみたい。読んでみたい。」という方々に向けて書いているのですが、気づけばあの録音・この録音と相対的(?)な違いを稚拙に綴っているだけで、荷風ほどには到底いかないにせよ、もうちょっと作品そのもの、作曲家そのもの、演奏の面白さそのものへの興味を喚起できるように書きたいな・・・そんなことできるかな・・・まー自分なりにやってみよう・・・と思ったり!

・・・最初の感動ってほんと今でも思い出しますが、バッハ、モーツァルトくらいから順繰に時代を下っていろいろ聴いていたころ(たくさんあってどれを聴いていいか判らないので、時代順に聴いてみるか!と)、べートーヴェンの交響曲やピアノ・ソナタの1番を聴いて、ほんとその出だしから「随分変わって来たぞ!」となんかニコッとしてしまった体験。そもそも、バッハでミサ曲ロ短調を聴いて、「なんかわかんないけど、すごいなー」とただただ聴きほれていた体験。。。

いろいろ聴いて、いろいろ読んでも、その最初の驚きがやっぱり重要なんだろうな・・・と思ってしまいます。これは浅学にして、いい加減に聴いている私に成長がないのかも知れませんが・・・

・・・という次第で、リンク先と同じ終わり方になってしまいますが、先人の音楽聴取の姿の一つを見せるものとして、興味深い書籍ですから、書店にお寄りの際には荷風の『ふらんす物語』にちょっと目を通されては如何!と推薦致します。

ではまた次回!
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posted by sergejO at 17:07 | Comment(4) | TrackBack(0) | 名著ご案内!
この記事へのコメント
いや、しらなんだ!
貴重な情報であります!
早速読みたい・・・ところですが、読み終えなければならない本が5、6冊たまってしまっています!

忘れないようにしなくっちゃ。
Posted by ken at 2008年03月27日 23:36
そういう時は立ち読みで一気です!

今日の四重奏団の記事いつもながら大変教えられました。スメタナのDVD見たい・・・←こちらもたまっています、、、
Posted by sergejo at 2008年03月27日 23:54
作曲とヴァイオリン演奏の玉木宏樹です。
私儀、このたび「クラシック埋蔵金、発掘指南書」(出版芸術社\1800)を上梓致しました。
不当にも埋もれてしまった名曲150曲を紹介していますが、今回、
http://8724.teacup.com/justint/bbsの掲示板を建て、作曲家名と作品名をお知らせしています。
一度ご覧になられてご意見,感想を賜れば幸甚でございます。

以上,よろしくお願い致します。
玉木宏樹

http://8724.teacup.com/justint/bbs

Posted by 玉木宏樹 at 2009年01月07日 11:28
玉木宏樹様
貴HPで、ご著書の作曲家名と作品名拝見致しました。浅学の私には、聴いた曲が少なく、名前だけでも楽しむことができました。
エルンストの名前があって嬉しゅうございます。
*****
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4882933624/look4wieckcom-22/ref=nosim/
Posted by sergejO at 2009年01月08日 15:13
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