2008年04月16日

再販された DVD《名指揮者の軌跡》シリーズを少々ご紹介!−第一巻 カルロス・クライバー《こうもり》&《魔弾の射手》

このエントリーを含むはてなブックマークBuzzurlにブックマークこの記事をクリップ!Yahoo!ブックマークに登録
少々遅ればせながら、1ヶ月ちょっと前の2008年2月27日に再発売になったDVD《名指揮者の軌跡》シリーズ。私も随分前に図書館かどこかで見たきりだったので、今回安価になったのをこれ幸いに二作品ほど購入してじっくり見てみました。

これが記憶に違わず、見直しても、かなり!!面白かったのであらためてご紹介することに致しました(ご存知の方には、今更ながらで申し訳ないです!)。

クラシックはCDではよく聴くけれど、DVDは、、、という方も多いかも知れず、「DVDも面白いものがありますよっ」というお誘いでもあります。

その二つとは名指揮者の軌跡 Vol.1 カルロス・クライバーVol.2 フェレンツ・フリッチャイ

この名指揮者の軌跡はリハーサル風景とその本番演奏を収録して、指揮者がどういう風に音楽を形作り、それが本番でどう現れるかを見せようという企画です。ざっくりといって、リハーサル 4:本番 1という収録時間。指揮者ってなにをしているんだろう?というのは誰しも思う疑問ですが、実に判りやすいサンプルなのでぜひどうぞ!

本日は、私が先日見た二作品の内の一つ

DVD 名指揮者の軌跡Vol.1 カルロス・クライバーの商品写真名指揮者の軌跡 Vol.1 カルロス・クライバー
南ドイツ放送交響楽団(現シュトゥットガルト放送交響楽団)
曲目:
J.シュトラウスII世《こうもり》序曲
収録時間:リハーサル34分+本番8分(1969-1970年撮影)
ウェーバー《魔弾の射手》序曲
収録時間:リハーサル 47分+本番9分(1970年)


のご紹介です。

カルロス・クライバーは生年1930年、没年2004年ですから、40歳の頃の録画。次第に名声が高まって、バイエルン国立歌劇場のポストを得て数年、とは言えまだヴィーンやバイロイトの舞台には立っていない頃。このDVDに収録されている曲はクライバーとしても得意の曲と言って良いものでしょう。

カルロス・クライバー指揮 ウェーバー《魔弾の射手》の商品写真収録数年後に全曲の名録音も遺していて、1975年録音のDVD バイエルン歌劇場のシュトラウスの《こうもり》は、再販を重ねてかなり安価になっていますし、と1973年録音のウェーバー《魔弾の射手》はCDでリリースされています。どちらも大変評判の高いもの。

「C.クライバーって?」と疑問の方々には、略歴やお薦めCDをLook4Wieck.comにまとめていますので宜しければぜひどうぞ。

Look4Wieck.com 名演奏家PickUp! カルロス・クライバー :: Carlos Kleiber

さて、この名指揮者の軌跡に見えるクライバーというと、、、まず最初に眼についたのは、やっぱり、その優雅で活き活きとした指揮ぶり。この人はいったいどう動いているんだろう・・・他にもクライバーの映像は見ていたのですが、今回もやっぱり見とれてしまいます!

このDVDに収められている場面を見ると、技術的な指示は勿論、あれやこれやとイメージを伝えようと、どうにかこうにかオーケストラの音にストーリーを持たせようと、細やかに身振り、手振り、歌もつけて説明する様は実に面白いものでした。

私は無論、オーケストラに参加したことなどありませんし、参加できる楽器をやったこともないので(昔、軽音楽部で少々ラッパを吹いていたくらいで、ただ余りに少々でなんにもなってないです!)、クライバーの言うことは団員としてどうなのかとても想像できません。

なにはともあれ、見ていると、時には少々団員がとまどい気味な感じもすれば、「うんうん、わかった、わかった!」と納得したり、なんだかわかんなくてもウケてたりと面白いもので、オーケストラに気を使ってジョークもまじえたり。なんにせよそうやってオーケストラの音が変わるのだから見事なもの!

クライバーと言えば、完璧主義で非常に指示が細かいなどと聞いていましたが、ぎすぎすしたものではありません。団員がにこやかに隣と目配せしながら弾いているところなどこちらも微笑ましくなります。

カルロス・クライバーの身振り手振りの柔らかい表現力はご覧頂く他ないのですが、言葉の表現力の巧みさは《こうもり》から幾つか挙げてみますと(文面で判りやすくなるよう、少々省略したりしております)、

ヴァイオリンに柔らかく入って欲しいところでは、

柔らかく擦り寄って行くように、、、肌に触れる時に、まず産毛を感じて、それから肌に手が触れる感じで、
いきなり握手するような表現は合っていません
こびるように
くすぐって!

もっと軽やかなリズムで演奏して欲しいところでは、この旋律の元となっている場面を思い出させながら、

男はカッコ良く登場するのです。
そして、踊り出します。タ、タン、パン、ピン!
でも、象のようなステップじゃありません。

ヴァイオリンにもっと艶っぽい(といっていいのかしら?)表現を持たせようと、

ここは私(=クライバー)でなく、誰かの心を捕えようという感じで
皆さんの想像した美女の心です
彼女は皆さんのヴァイオリンの音色に酔いしれるのです
〜幾らか演奏した後で〜
今のも割合に美女の姿がちゃんと見えた気がしましたが、まだ優等生っぽいですね
(美女に)ウィンクするような気持ちで

こういう指示もよく考えると面白いですね。弾いてる方も聞いてる方も、ちょっとしたアヴァンチュールな経験がないと音楽なんて作れない、楽しめない・・・ってこともある???女の子にウィンクしたのは、果たして何年前のことやら・・・

激しく荒っぽい響きを欲しいところで、

まだお役所っぽいです。
ここは破天荒が欲しいところです。
クラシックの弾き方を逸脱してもいいですから、ヴィブラートを掛けすぎるくらいに

DVD カルロス・クライバー指揮 シュトラウス《こうもり》の商品写真オーボエのソロのところなんてほんとうに傑作です!そこにいたるところで、なんともあわれな表情で指示するクライバーがまた愛嬌があります。

《こうもり》は男も女の浮気心のなんとやらというお芝居ですが、このオーボエは寂しいヒロインの心情を現すもの。といっても寂しいから浮気をするのか、浮気をしても寂しがるのか判らないというものでありまして・・・

(ここでヒロインは)ウソの涙を流すのですが、女性には真実だ。涙は涙だから。

わたくし、爆笑してしまいました。(←どういう過去があるんだと)

・・・とこんな調子で挙げて行くと切りがないのですが、これでもまだ《こうもり》のリハーサルの半分くらいのところまでで、適宜選んで取り上げただけです。

クライバーが指示をする前後でどういう風に音が変わっているのか、そんなことも注意して行きつ戻りつなんてしながら見ていると、こちらの耳も訓練されるなんて効果があるのかないのか。

いずれにせよ楽しいDVDですし、再販を重ねて新譜CD一枚の価格に落ち着きましたので、これを機会にまだご覧になっていなかったらぜひどうぞ!これを見ると、全曲盤のシュトラウスの《こうもり》(DVD)そしてウェーバー《魔弾の射手》(CD)の楽しさも増すものかと思います。

DVD 名指揮者の軌跡シリーズは全8巻。Amazon.co.jpで、名指揮者の軌跡をキーワードにすればすぐでてくると思いますが、旧版とごちゃごちゃに出てくるかもしれないので、なにが出ているかお確かめになりたい場合は、下の記事をお役立てください。

DVD《名指揮者の軌跡》シリーズ全8巻 − この2月にちょっと安くなって再発売です!

ではまた次回。次回は名指揮者の軌跡Vol.2 スメタナ《モルダウ》を振るフェレンツ・フリッチャイです。
◎作曲家や演奏家の名前から他の記事を探すには:
作曲家から探す / 指揮者から探す / ピアニストから探す / ヴァイオリニストとその他の演奏者から探す / その他の記事(売れ筋ランキングやコンサート評etc)を見る

◎ご紹介した曲や本のジャンル(交響曲かピアノ曲か、伝記か自伝かetc)から探すには:
曲や書籍のジャンルから探す

タイムリーな記事のご購読にはRSSが便利です。
RSS 1.0(RDF Site Summary) / RSS 2.0 / はてなアンテナ
posted by sergejO at 11:39 | Comment(2) | TrackBack(0) | 注目新譜!(含むDVD)
この記事へのコメント
これは、名録画でした!
それだけに、人に貸したのは失敗でした・・・かえってきません。
・・・いいや、その人の心に残れば。

フリッチャイの<モルダウ>は、さらに感動的です。

http://ken-hongou.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_7921.html

・・・まだ家内の生前に綴ったもので、かつ、<モルダウ>は家内が私の出演するコンサートで最後に聴いてくれた曲のなかのひとつでした。
Posted by ken at 2008年04月16日 22:59
フリチャイの≪モルダウ≫を見ていると、オーケストラなんて入ったことがない私でも、なんだか指示が的確というのか、やりやすい気がしますが、いずれにせよ、面白いDVDです、うん。
Posted by sergejo at 2008年04月17日 13:47
コメントを書く
お名前: ハンドルネーム可です

メールアドレス: 未入力OKです

ウェブサイトURL: 未入力OKです

コメント: ご随意に!

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/93557116
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
Top / 記事一覧:作曲家別 / 指揮者別 / ピアニスト別 / ヴァイオリニストとその他の演奏者別 / その他の記事
Copyright© 2007-2009 sergejo_look4wieck.com All rights reserved.
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。