本日5月6日はハインリヒ・ヴィルヘルム・エルンスト Heinrich Wilhelm Ernst(1814-1865)の誕生日です。
・・・と申しましても、チェコのモラヴィア地方に生まれ、パガニーニに感銘を受けて同様に超絶技巧を磨きパガニーニを驚かせた・・・という程度の話しか知りません!
どこかでそんな話を聞いてから、注意していると結構いろいろなCDに入っていたりするものの、エルンストをメインにして、びっくりさせてくれるものってそうそうないんですよね・・・
そんな中、インゴルフ・トゥルバンが演奏するエルンスト ヴァイオリン曲集が良いと知ったのですが、買いそびれているうちに日本では手に入り難い様子。
2008年9月27日注:手に入れて、聞いてみたら、技巧となつかしさのおりまざった独特の音楽で面白いものでした!最近手に入り易くなっています。
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さて、そんなエルンストの伝記がこの8月に刊行予定!
これが400頁の洋書ですが、英語なんて気にしない!7割分かればオッケーという方針なので、このブログで紹介してしまいます!
Heinrich Wilhelm Ernst: Virtuoso Violinist
Mark W. Rowe (著)
ハードカバー: 416ページ
出版社: Ashgate Pub Co (2008/8/30)
ISBN-10: 075466340X
ISBN-13: 978-0754663409
発売日: 2008/8/30とのことで商品写真はまだ用意されて居りません。(2008年9月27日注:刊行されました!右はそのカバー写真です。)
Amazon.UKにだけ本書の梗概が出ていたので、拙訳致しますと。
1840年から57年の間、ハインリヒ・エルンストは欧州における最も重要にして著名な音楽家であった。自ら舞台に立ち、それも多くの場合、リスト、ショパン、メンデルスゾーン、アルカン、クララ・シューマン、ベルリオーズ、ヨアヒム、そしてワーグナーらと共演を行った。1863年、重い病に臥せるこの名ヴァイオリニスト(=エルンスト)のために資金を得ようと、ブラームスが自らのそしてエルンストの曲で二度のコンサートをウィーンで主催しているが、これはエルンストの重要性を示す一つの事例である。
エルンストの音楽はリストに決定的な影響を与え、リストを通じて19世紀の音楽にも広く影響を与えた。 (リストの作品で)もっとも世に影響を与えた傑作であるソナタ ロ短調の最重要な先駆けとなったのは、1849年から50年の"Grosses Konzertsolo"と呼ばわる作品だと広く認知されていることだ。ソナタ ロ短調はリストの初めての長大な一楽章の作品で、ソナタ形式を大胆に改変し、主題の変容を行っている。 そして、リストがこのソナタを書いたのは、エルンストが自作自演する"Concerto Pathetique"を1849年に指揮した直後なのである。
そのエルンストの作品が、同様に長大な一楽章の作品で、ソナタ形式を大胆に改変し、主題の変容を行っているのだ。リストがソナタ ロ短調を書き終えたのは1853年。その3年後には"Grosses Konzertsolo"の二つのピアノ版を出版しているが、この作品はその源を指し示すかのように、"Concerto Pathetique"と名付けられている。
ベルリオーズはエルンストを「私が共感を持つ人、そして、芸術家・・・エルンストはヴァイオリンを用いて、彼が完璧に習得している音楽という言語の中で、詩を語ろうとした」と評した。ヨアヒムは「知りうる限り最大のヴァイオリニストだ」と言っている。しかし、エルンストはヴァイオリンの巨匠のみならず、完成した作曲家でもある。エルンストは《エレジー Elegy》と《ヴェニスの謝肉祭》という19世紀で最も人気の高かったを二つの作品を書いている。そして、今日では技巧的難度でこの上ない二つ作品−シューベルト《魔王》のヴァイオリン・ソロ編曲、そして、《Poliphonic Studies》の第6曲《The Last Rose of Summer》による変奏曲−の作者として知られている。 エルンストはまた、室内楽を、特にべートーヴェンの晩年の弦楽四重奏を中心に、休むこと無く広めて回った。
著者Mark Rowe博士は、この重要なる人物の生涯と作品について、強く希求されていた肖像をいま描かんとする。
・・・固い訳にて失礼致しました!
こう読むと、興味深いですよね!この紹介文に触れている難曲は上のトゥルバンの一枚に入っているもの!
《Poliphonic Studies》については、ルッジェーロ・リッチ Ruggiero Ricciが全曲版を出しています。 1983年の録音で、「初録音」とありますが、全曲版が初なのでしょうか?
私はヴァイオリンなんて近づいたこともないので、難しさなんて分かりはしないのですが、聴いていてさすがの名人リッチも−録音時も随分な年ですが−ところどころ大変そうです。
ヴァイオリンを嗜む方が聴かれたら、随分面白いのでないでしょうか?
技巧的な作品ながら、活きの良さの裏に、ユーモアと物悲しさのある作風なのかな・・・こんな言い方をしたら大概の作品はそういうものでしょうが。。。
併収はヴィエニャフスキ WieniawskiのL'Ecole Moderne Op.10。
このリッチのCDも手に入りやすいので、ぜひどうぞ。
ではまた次回!
こんなすごい人がいたんですね!
・・・まあ、知らないけどすごい人、って言い出したらキリがない、じゃなくて、知らないんだからどれだけいるんだか見当がつかなくて、
「浜辺で砂を数える」
心境になってしまいます。
・・・偉大な発見は出来ませんけどね。
> 心境になってしまいます。
小生もそういった心境になっております!!
それぞれの人が、自分の得意分野を持っていて、それらの人々の総合がその集団の底力なんだろうなと。。。