2週間ほど前にやっと手に入れたヨーゼフ・ヴォルフシュタール(1899-1931)の2枚のCD。Amazon.co.jpで納期3〜5週間とありましたが、私の場合、購入後ひと月以内に届きました。左の写真は、その一枚で、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番 K.291、べートーヴェンのヘ長調のロマンスとヴァイオリン協奏曲(カデンツァはヨアヒム)が収められたもの。
到着以来、殆ど毎日何度も聴いてしまってます。録音は1920年代後半から30年で、勿論、じりじりとノイズが入ったり、音飛びしますが、古い録音にちょっと慣れればさして気にならない程度のものです。
そもそも、ヴォルフシュタールの名前を知ったのは、先日もご紹介したエッゲブレヒト著『ヴァイオリンの巨匠たち』の記述。試みに幾つか引用致しますと・・・あのオットー・クレンペラーが、クロール・オペラのコンサートマスターの中で、ヴォルフシュタールとの演奏をどれほど愉しみとしていたことか。ヴォルフシュタールのことを、マックス・ロスタルは、希に見るすばらしいヴァイオリニスト賞賛し、カール・フレッシュのアシスタント時代に師事したゴールドベルクは、賛嘆に値するすばらしいヴァイオリニストだと、懐古している。
べートーヴェンの協奏曲の演奏については、
この曲は彼のために書かれた、といわせるような演奏である。壮麗な密度の濃い音質、背筋の通ったヴィブラートの配置、テクニック、そして、音楽性に溢れるドラマ展開といった曲全体の解釈・・・
いかかでしょう?
「彼のために書かれた」という言葉はレトリックとしても、もう一枚買ったリヒャルト・シュトラウス指揮の自作自演曲集と共に、なにはともあれ何度も聴いてしまっている私です。こちらでヴォルフシュタールは《町人貴族》のソロ・パートに妙技を披露します。最初音が細く、繊細で、気品があるような・・・と感じましたが、これは当時の録音技術等々でヴァイオリン・ソロの音が今の録音のように強調されてないからだと思います。
厚い音ではないでのすが、演奏は節度を感じさせながらもテンポをずらし、ダイナミックをコントロールして、熱い音楽を作ります。古いから録音だから当たり前かもしれませんが、今は聴かれないスタイルがむしろ新鮮。べートーヴェンのロマンスもこの曲を初めて聴いたようにも思いました。
ネットで見つけた記事 − 玉聽茶話「ヨーゼフ・ヴォルフシュタール」、貴志康一とレコードのサイト「貴志康一をめぐる音楽家たち」− を見ると、ヴォルフシュタールの風来坊とでも言うような私生活が伺えます(どちらの頁にも面白い情報があります。ぜひご覧下さい!)。「この人はスピード狂ではあるまいか・・・」と感じていましたが、どうもそのようです。
上述の引用文が、フレッシュの弟子、ベルリンのクロール・オペラのコンサートマスター、ベルリン高等音楽院の教師という経歴の一端を示していますが、それに付け加えれば、ヒンデミット、ファイアーマンと弦楽トリオを組み、また、クロイツァー、ピアティゴルスキーとはピアノ・トリオを組んだこともあったそうです(参照、http://kawai-kmf.com/kreutzer/about-k/)。
かつての演奏スタイルという視点から見ると、まず気がつくのが抑制されたヴィブラート。また、朗々と伸びやかに歌い上げることとは違う価値観に基づく表現というものでしょうか?演奏法の云々は私も不案内なので、こういったことの詳細は、いつもコメントをいただいているKenさんの考察を待ちたいなと思います。←ひとまかせです!ヴォルフシュタールが孫弟子に当たるヨアヒムの晩年の演奏が聴けます。またカール・ムックのワーグナー!これには大変関心です。
黄色いジャケットのR.シュトラウスの自作自演CDは、《町人貴族》の他に《ドン・ファン》と《ティル・オイレンシュピーゲル》を収録。R.シュトラウスの指揮についても一言しないとすまない名演奏です。後の録音では、こういう語り口調はベームが引き継いでると言ってしまっていいのかしら、、、
ちょっと違うところは、軽妙洒脱な味合いとでもいったもので、リズムも音量も振り幅大きく変化していくのですが、これが実に情景が浮かぶようで、一瞬でムードが変わるところなど見事!です。今一般に聴かれるようなひたすら派手な交響詩というより、目の前に紙芝居でも見えてきそうなそんな演奏です。
拙文に興味を持たれましたら、ぜひ古くて新鮮なこの2枚をお試しください。
ではまた次回!














ベートーヴェンの協奏曲は聴いてみたいですね。
・・・ちょっと、5月くらいまで予算を切り詰めないといかんからなあ・・・そのあとでも手に入るかなあ・・・
Amazon.co.jpもしばらく在庫なしだったはずですが、一ヶ月ほど前に気づいたら3〜5週間になっていて、ほんとに手に入るのかなぁと半信半疑で買ってみました。
大型店舗でも見たことないから、どうなんでしょう。。。そうそう売れるものでもなさそうだし、、、といって、在庫もそんなないだろうし、、、
>ベートーヴェンの協奏曲は聴いてみたいですね。
その際はご感想をぜひぜひ!